使用済み核燃料の保管方法

 原発の使用済み燃料を保管する乾式貯蔵で使う金属製容器の扱いについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は12月5日の定例会見で、「地面に半分埋まった形で転がしておくというのが最も安全」と述べ、無造作な扱いを許容するとも取られかねない言い回しで持論を展開した。

 原子力規制庁の担当者は福井新聞の取材に「ぞんざいな扱いでもいいという意味ではなく、地盤にしっかり固定しておく必要はないという趣旨だ」と釈明した。

 更田氏は「乾式貯蔵の方がはるかに安全性が高いと判断できるので、(使用済み燃料プールでの貯蔵からの)移行が進んでくれることを期待している」と改めて主張。その上で、「原発の敷地境界から離して置けば、(放射線の)遮蔽能力を建物に持たせる必要はない」とし、屋外保管でも問題ないとの認識を示した。

 一方で、プールの燃料貯蔵間隔を狭めて密集化し、容量を増やすリラッキングについては、「当面の措置としては致し方ない部分もあると思っている」としつつ、「申請があった場合は、数年以内に貯蔵量を戻すようにという形で、時間を限って認めるという可能性もある」と述べ、乾式貯蔵を優先させる考えを示した。

■核燃料乾式貯蔵に新基準 規制委 全国共通の耐震性

 原子力規制委員会は12月5日の定例会合で、原発の使用済み核燃料を空気で冷やして一時保管する「乾式貯蔵」に使う金属製容器(キャスク)について、耐震性や強度の新基準を設ける規則改正案を了承した。現状では各原発で乾式貯蔵を行う際は規制委の審査が個別に必要だが、新基準は全国共通のため、審査で一度認証された型式のキャスクは、どこの原発でも導入時の審査が省略できる。改正案は意見公募(パブリックコメント)を経て正式決定される。

 東京電力福島第1原発では2011年3月の事故時、一部の使用済み燃料を保管中だったキャスクが津波に襲われたが健全性に大きな問題はなかった。新基準導入は、電力各社に乾式貯蔵への移行を促す狙いがある。使用済み燃料を現在保管している各原発のプールの容量が逼迫(ひっぱく)していることも背景にある。

 乾式貯蔵は、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)でも運用実績があり、中部電力は浜岡原発(静岡県)、四国電力は伊方原発(愛媛県)での導入に必要な審査を規制委に申請済み。九州電力は玄海原発(佐賀県)での導入を検討している。

 新基準では、全国どこの原発でも地震などの災害時に健全性が保たれる強度を求める。そのため、キャスクの耐震設計の目安となる地震動は水平方向で2300ガルに設定。貯蔵だけでなく輸送にも使えるよう9メートルの落下に耐えられることとする。

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