北陸新幹線金沢―敦賀間の建設費増に対応した財源見通しについて政府への申し入れをまとめた与党PT=12月11日、衆院議員会館

 2023年春開業の北陸新幹線金沢-敦賀間などで膨らんでいる建設費の新たな財源を巡り、国土交通省は12月11日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に対し、運行主体のJR西日本に追加負担を求めず、国側に支払う施設使用料(貸付料)を増額しない方針を明らかにした。その上で、新幹線建設費の財源補てんに使われたことがある既設新幹線の譲渡収入を国費として財源に充当する考えを示した。

 会合で国土交通省の幹部が建設費増加への対応策を報告した。

 既設新幹線の譲渡収入は、東北、上越、東海道、山陽の各新幹線が1991年度にJR3社に譲渡され、3社は現在、計724億円を毎年国側に支払っている。収入は都市鉄道整備に充てているが、この一部を金沢―敦賀間と、同じく建設費が高騰している九州新幹線長崎ルートの建設に回す。

 このほか、将来の貸付料を担保とした民間からの借り入れを、国が低金利で貸し出す財政投融資(財投)に切り替えることで、削減した金利分を財源に充てられないか調整する。

 財投は、公共性が高く民間企業だけで対応できない巨大事業に、政府が低利で資金を貸す仕組み。政府は16年度、新幹線建設のための民間借入金8千億円を財投に切り替えており、金利負担軽減で浮いた資金を活用する。

 財源には、ほかに国と沿線自治体の追加支出も充てる。それぞれの具体的な金額は年末の予算編成までに詰める。

 与党PT座長の岸田文雄自民党政調会長は会合後、「新年度予算編成が大詰めを迎えているが、ぎりぎりまで財政当局と調整を行っていきたい」と述べた。

 金沢-敦賀間の建設費は、人件費の増加などで現行計画より2260億円増える見通し。新幹線の建設費は、通常JRと国、沿線自治体が負担するが、建設費の追加負担についてJR西は貸付料の増額に反対していた。

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