主力事業を2社に譲渡することになったオリオン電機=12月11日、福井県越前市家久町

 オリオン電機(本社福井県越前市家久町、三浦淳社長)が12月11日までに、各種電子機器を設計・受託生産する主力事業を分割し、協業関係にある2社に譲渡を決めたことが分かった。2社はそれぞれオリオン電機の本社所在地に新会社を設立して事業を受け入れ、従業員も転籍。2社の商品企画力や販売力、オリオン電機の技術力を生かし、ビジネスの拡大を図っていく。

 オリオン電機が国内で電子機器の設計・生産を受託し、タイの協力工場で生産するPS(プロフェッショナル・サービス)事業は、東証1部上場のドウシシャ(本社大阪府大阪市)との間で譲渡契約を結んだ。譲渡額は非公表。

 家電や家具収納、アパレル、ブランド雑貨など幅広い商品を企画販売するドウシシャは、10日の取締役会で事業の譲受法人として100%出資の子会社「オリオン」の設立を決議した。譲渡は来年1月8日の予定。

 ドウシシャは製品開発の基礎となる基板回路設計やソフトウエア開発に強みを持つオリオン電機の事業を譲り受けることで、オリジナル商品の開発などを強化する考え。オリオン電機は自社ブランドのテレビを主力としており、今後はドウシシャに技術やライセンスを供与しながら、4K8K衛星放送を受信するテレビなど高品質で低価格の商品開発につなげていく。

 これに先立ちオリオン電機は、主要取引先の電子部品製造のエヌビーシー(NBC)=本社岐阜県大垣市=に、本社工場で受託生産する自動車向け電子基板部品製造などの事業を譲渡した。NBCは譲渡を受けて子会社「福井EMS」を設立し、1日から操業を始めた。自動車関連の部品は増産体制が続いており、NBCの主力工場として設備投資などを進めながら生産拡大を目指すという。

 オリオン電機の担当者は「譲渡先の2社は、商品企画力や販売力にたけており、当社の技術力を生かしてブランドを育てたい。最良のパートナーとして成長し、ビジネスを拡大させたい」と話した。事業譲渡に伴い、一部で退職者を出したため「再雇用の支援に引き続き取り組んでいく」とした。

 オリオン電機は1958年創業。主力のテレビの価格競争激化などで経営が厳しくなり、2015年に事業再生支援会社「ブレイン・アンド・キャピタル・ホールディングス」の子会社となった。生産体制の向上を図り、高音質の小型テレビなど新製品を開発するなど再建を進めていた。

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