カー用品店の売り場に置かれたタイヤチェーン=福井県福井市

 国土交通省と警察庁は12月10日、全国の高速道路や国道で今冬から大雪時にタイヤチェーン装着を義務付ける対象として、2月に多くの車が立ち往生した福井県の国道8号など13区間を公表した。国道8号で指定されるあわら市熊坂-笹岡間は主要な生活道路で、地元住民から疑問や影響を危惧する声が相次いだ。県内のカー用品店では問い合わせや購入が急増し、タイヤのサイズによっては既に品薄状態となっている。

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 国土交通省福井河川国道事務所は「チェーン装着によりスタックを防ぎ、立ち往生をなくすのが目的」と強調。規制が想定される2~3日前から啓発広報し、指定区間の迂回やチェーン携行を呼び掛ける考えだ。国道8号で除雪機械や監視カメラの増強、待避スペースの整備なども進めており、平井義博副所長は「個々のドライバーも大雪に備えてほしい」と理解を求める。

 これに対し、あわら市熊坂の区長の男性(67)は「規制対象に乗用車まで含まれる理由や、どうしてこの区間なのか分からないことばかり。頻繁に利用する地元住民にしっかりした説明がほしい」と訴えた。住民の男性(71)=同市熊坂=は「果たして効果があるのか。夏用タイヤで入ってくる車の規制が先なのでは」と首をかしげた。

 同市土木部は「チェーンを付けていない車が市道に集中し混乱を招く。最低でも規制を行う5、6時間前には知らせるよう徹底を求めたい」とした。

 運送業界にとって交通障害の影響は大きく、県トラック協会の中山武専務理事は「立ち往生などを防止する意味で歓迎」と捉える。運用に当たって「全国のトラック事業者に周知徹底することが重要。チェーン装着場所の十分な確保や違反車を見逃さない対応も徹底してほしい」と指摘した。

 チェーン装着の義務付けに関心は高く、イエローハット福井大和田店では、規制導入方針が公表された11月15日から問い合わせや購入が相次いでいる。担当者は「例年だと普通車用チェーンを購入するのは、ほとんどが県外ドライバーで、時期も1、2月。今年は例年同期比で2倍以上の売れ行き」と話す。既に品薄状態のものもあるといい、早めの準備を呼び掛けている。

 タイヤセールス福井北は、企業などから見積もり依頼が増えているものの、一般客は「まだ様子見の段階」と分析する。「チェーンを巻かなくてもスタックしなければ罰金にはならないのか」「暖冬の予報が出ているので今年は大丈夫では」といった声もあるという。

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