若狭勝弁護士

 福井県警の捜査員が薬物事件に関する捜索差し押さえ許可状(令状)などを紛失した問題で、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は12月7日、福井新聞の取材に「紛失はあってはならないことで失態。令状は裁判官の職権で発付される重みのあるものであり、管理は厳重にしないといけない」と述べた。

 令状は逃走した男を制止しようとした際に紛失したとみられる。若狭弁護士は、置き忘れて紛失するようなケースに比べると最悪ではないとした上で「捜査に影響がないのであれば管理責任が問われるだけだが、もし影響があったのなら、状況がどうであれ紛失は言語道断。大問題だ」との見解を示した。

 薬物事件のような組織犯罪事件では、組織に情報が漏れ証拠隠滅をされると、摘発した者から組織の中枢へ追及していく「突き上げ捜査」ができなくなる可能性や、その時に家宅捜索ができなかったことで証拠物を押収できなくなる危険性が出てくると指摘。「人の話は変わるものだが、証拠物は不変。有効なツールを失うことは裁判にも影響する」とした。

 また、仮に第三者に令状が渡れば、写真に収めたりインターネット上に載せたりする可能性もあり「誰がどのような罪で疑われているのか広く知らしめることになり、被疑者の名誉に関わる」と話した。

 逮捕や家宅捜索を行う実行部隊と令状を保管する人とで役割を分担する必要があるとし、「今回の家宅捜索における管理体制や役割分担をしっかり分析し、問題点を改善しなければならない」と訴えた。

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