2020年度上半期の打ち上げを目指す福井県民衛星の模型(福井県提供)

 超小型人工衛星「福井県民衛星」の開発を進める福井県民衛星技術研究組合は12月7日、海外の商用ロケットに搭載して2020年度上半期に打ち上げると発表した。当初は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型ロケット「イプシロン」での打ち上げを目指していたが、早くても20年度末ごろになるとみられていた。同組合は「人工衛星の製造や、衛星が取得したデータを活用したビジネス展開を急ぎたい」との考えで、打ち上げ実績の豊富な海外企業のロケットに切り替えた。

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 同組合は福井県と県内外の企業12社が参加して16年に設立。超小型人工衛星に詳しい東京大の中須賀真一教授らが顧問を務めている。

 当初は企業や大学の宇宙産業参入を促進するJAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」を活用し、19年度に打ち上げる計画を描いていた。しかし、JAXAの計画が遅れたことなどで、1年延期となっていた。

 県によると同組合の会員企業からは、JAXAの計画のさらなる遅れも予想されるという懸念の声が上がっていた。海外ロケットによる打ち上げについては、超小型人工衛星開発を手掛け同組合にも参画しているアクセルスペース(東京)を仲介して計画が進められた。県民衛星を活用したビジネスの展開に向け、早期の打ち上げ可能な海外ロケットへの搭載を選択。同プログラムの申請を辞退した。

 海外ロケットの詳細について県は「海外の企業との関係で、どの国で打ち上げるかなどは現時点で明らかにできない」としている。この企業とはアクセルスペースを通じて、県民衛星を搭載してもらうことで既に合意しており、来年に正式契約するという。

 同組合の進藤哲次理事長(ネスティ社長)は「打ち上げに向けて前進した」と喜び、県新産業創出課は「スケジュールを確定させ、設計や製造を進めたい」としている。

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