エルパになくピアにあった「無駄」

 福井県を代表する大型ショッピングセンターの一つ、「フェアモール福井」(通称エルパ)=福井市大和田2丁目=の魅力アップをテーマにした、一般社団法人「ゆるパブリック」(ゆるパブ)と福井新聞ONLINEのコラボ企画「ゆるパブ・オフ会」。ネット公募で集まった参加者の話し合いの中では、比較材料として県外にある他のショッピングモールに加え、福井市にかつてあった伝説的なショッピングセンターにも話が及んだ。そこで浮かんだエルパの課題とは…。

 ⇒エルパ・トーク会記事第1回「エルパ、何でもあるけど物足りない」を読む

■他店やピアと比べて…

 参加者の中には元「ピアっ子」が多く、思い出話に花が咲いた。福井県民ならご存じの方も多いと思うが、ピアとは2003年まで福井市の街中にあった「ショッピングタウン ピア」のことだ。地元商業者の協同組合と県外資本の核テナントによる運営方法を全国に先駆け導入したことは当時、画期的だった。

 「開店したときは高校受験の学年だったけど、オープン日は行列に並んで行った。毎週ピアの中の金魚鉢(ガラス張りのスタジオ)で、クイズに答えると商品券がもらえるラジオ番組『それ行けピアピア大行進』の公開放送をしていて、足繁く通った」(福井市の50代自営業男性)、「裏の入り口に鏡張りの迷路みたいなのがあって、小学生のとき、鬼ごっこをしたりした」(福井市の40代男性会社員)などと参加者からはエピソードが尽きなかった。噴水のある広場や店内に小さなメリーゴーラウンドがあったミスタードーナツなど、心に残る景色を懐かしんだ。

 また、県内にない大型ショッピングモールの構造を評価する声も上がった。その建物は「く」の字形になっており、店内の通路もなだらかにカーブしている。客が通路を歩くと、正面に店が次々と視界に入ってくる仕掛けだ。他にも、通路が吹き抜けになっているモールは階上の店が目に入って興味をそそられたとの声もあった。

 翻ってエルパ。通路はほぼ碁盤の目状になっており、通路を歩く客の視界に入るのは正面のどんつき。店を視界に捉えるためには、方々を見回さなければならない。協同組合事務局は「エルパがオープンした当時は碁盤目状がスタンダードであり、テナントが入る面積を効率的に確保できるメリットがあった」と現状の構造を採用した経緯を説明した。碁盤目状にしたことで、各ブロックのテナントがほぼすべて、人目に付きやすい「角部屋」に店を構えることができるという利点もあるという。噴水のある広場や吹き抜けは売り場の面積を狭めるため、“無駄”な空間とも言える。エルパはいわば、効率性を最重視したわけだ。

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