【越山若水】きのう3日から9日まで「障害者週間」である。内閣府によれば障害のある人が社会、経済、文化などあらゆる分野に参加する意欲をより高めるのが目的という▼もともと3日は国連が定めた「国際障害者デー」で、9日は日本独自の「障害者の日」。両方に挟まれた1週間を1995年、新たな啓発期間として設定した▼そんな時期だからこそ、考えてみたいことがある。障害者に接する基本的な心構えは? 思い悩んでいると、ある人の不思議な言葉を見つけた。「失敗する自由」▼八王子市で自立支援活動を始めた中西正司さん。とても寒い日、障害者が「外に出たい」と言ったとする。その時「寒いですよ。風邪をひくかもしれないからやめた方がいい」と説得してはいけない▼どうすればいい? 黙って従うのが正解と中西さん。「全ては自己責任。出て行って風邪をひけば、次回からはやめよう、あるいは厚着をしていこう」と気をつけるからだ▼事前に止められたら失敗もできないし、何も分からない。人間は失敗から学び、そこからまた前へと進んでいく。活動歴30年、中西さんの指摘である▼とかく私たちは「してはいけない」「やめた方がいい」と先回りする。やってみようとする意欲の芽を摘むのでなく、困ったときに手を差し伸べればいい。それは子どもの見守りをはじめ万事に通じる真理である。

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