‘あの実は何ですか?’  11月に入ると、いつも決まってこの時期に聞かれることです。

 それは畑の隅のそれほど大きくない木に毎年大きな実をたわわに付け、その実が、黄色く色づき始める頃になると聞かれることなのです。濃い緑から黄色く色づき始めた大きな実は、遠くからでもその色や大きさが目に付くようで、一般にはあまり見かけない実でもあるからでしょう、必ずといっていいほどに聞かれることなのです。

 その獅子ゆずが今年もたくさんの実をつけました。

 早めに色づいた実を知人に差しあげると、‘キビ砂糖とレモンでおいしいジャムができました’と、早速にうれしいメールが届きました。知人はとても植物に詳しく、しかも料理が上手な人なので、特別な説明を加えなくても獅子ゆずのことはよくわかっておられるようでした。差し上げた獅子ゆずのその‘いのち’へまでの何か温かい、深い思いまでも伝わってきて、私の心もほっと温められた思いでした。

◆たかが生ごみ、されど生ごみ

 その獅子ゆずの木がある、畑の野菜の育ちがすごい勢いなのです。蕪、白菜、勝山水菜、等々。5センチくらいの太さになった大根の間引きしたものや、ようやく10センチくらいの玉になった蕪を抜いてきました。

 大根は、葉も大根もゆがいて細かく切って(我が家では白ゴマ油で軽く炒めて)、味噌や醤油で和えてご飯の下に敷いて、少し焦げ目がつくように蒸した、昔から伝わる伝統料理「おあい飯(お和え飯?)」。

 蕪は味噌汁にでもと思って抜いてきたのですが、切ってちょっと食べてみると、柔らかいこと、柔らかいこと。これまでにない柔らかさの大根や蕪です。あまりに柔らかいので、蕪は煮ないでそのまま生で食べた方がおいしいように思われ、急きょ蕪のサラダに変更しました。

 薄切り蕪に塩を振ったままでも、その味を十分に味わえるのかもしれません。しかし、それだけでは少し物足りなく思われました。その蕪の味と柔らかさを生かすため、大きめ、少し薄めに切った方がよいように思われました。蕪のなますは和食では定番で(和風サラダなのでしょうが)よく作りますが、蕪を洋風サラダとして作ったことはあまりありません。何かを加えたいのです。何を加えたらいいのでしょう。

 白菜と水菜の葉を加えて、昆布の細切り?いや、今回はもどしわかめの方が合いそうです。また畑に行って、白菜、水菜を採ってきて、わかめを加えて、それらの味に聞きながらの即席ドレッシング(塩、梅酢、梅干しペースト、ひまわりオイル)で和えました。Verry goodです。このサラダもとても家族に好評で、また新たなメニューが増えました。

 でも、どうして今年の野菜は、こんなに柔らかく、こんなに大きくなったのでしょう。生ごみ肥料をやったからでしょうか。それしか心当たりがありません。

 今年も無農薬はもちろんのこと、無肥料を目指しながらも生ごみ肥料は、元肥として十分やっています。きっとその生ごみ肥料のその効力ではないかと思うのです。

 これまで家庭で出る生ごみはほとんどゴミ出しに出したことはなく、有効に畑に肥料として使ってきました。しかし、これまではその効力をそれほど意識したことはなかったのです。しかし、今年はどうしてこんなに効力が目に見えてすごいのでしょう。

 これまでは、特別に良いもの、立派なものを作ろうという意識はなく、安全に食べられるものを作ればよい、採れればよいという程度で作ってきていました。そしてそれで十分に満足してきていました。しかし、採れる野菜は、玉ねぎにしても、それほど大きなもの、立派なものではなかったのでした。

 そこで、以前に有機栽培の専門の方にお聞きしたところ、‘元肥が足りなく、土の力が足りないからでしょう’と言われたのです。それをお聞きしていたので、今年は、元肥としての生ごみ肥料作りに少し心を込めたのです。   

 家庭で生ごみをバケツに入れるたびに、精米した時に出る糠を一つまみ生ごみにまいておきます。そして畑のコンポストに移すとき、生ごみの上に必ず生ごみを覆うように薄く土をかけておくのです。ものの本によれば、土の中にはEM菌に代わる微生物がいてその働きを活用するのだというのです。

 コンポストがいっぱいになると、土:生ごみが7:3になるように、土と生ごみを鍬でよく混ぜ、その混ぜた土を大きな容器に移しておき、よく熟成させておきます。この熟成が足りないものを使うと作物に被害を与えることになるというのです。その生ごみがほとんど土化したしたものを、深めに掘った溝に入れてその上に土をかけて植えたのです。

 サツマイモなどでは「ツルボケ」といって肥料が効きすぎると、つるだけが著しく生長し、肝心の実が実らないことをいうのですが、今年の野菜はどれもが、葉ボケ?と心配するほどに生長し過ぎているのです。蕪の葉などは、60センチ以上はあるかと思われるほどに大きくなっているのです。

関連記事