【越山若水】きょうの日付は…数字を並べると123。ホップ・ステップ・ジャンプと飛躍する。それは1月23日もそうだとはいえ、1年でこの2日だけのこと。やや特別な思いを抱かないでもない▼一二三と漢字で書けば人名に連想が飛ぶ。加藤一二三(ひふみ)さんに阿部一二三さん。「ひふみん」の愛称で人気の元将棋棋士と、いま売り出し中の柔道家である▼一方に数々の伝説に彩られる実績があり、もう一方には昇り竜の勢いがある。これはめでたい佳名だと、あやかって子どもに一二三と名付ける親が現れるかもしれない▼と、愉快な連想はここまで。根が卑俗なせいか頭をよぎったのは博打(ばくち)の話である。「チンチロリン」というのがある。サイコロを一遍に三つ振って、出た目の強弱で勝負を競う▼最弱の目が1・2・3である。一人の親に対し子方は複数。この目を親が出すと全員に賭け金の倍額を払うルールなので、あっという間にどん底へ落ちる▼「親は目を覆い、人生の悲哀をかみしめ、子方は有頂天でどんちゃん騒ぎになる」と「小博打のススメ」(先崎学著、新潮新書)には書いてある▼そういえば忘年会の時季である。近ごろは「飲みニケーション」が見直されているそうだから、宴会旅行も盛り返しただろうか。ひと昔前は、飲んで夜通し小博打に興じる一団も多かった。感心はしないが、笑いの絶えない座だった。

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