福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅ=2016年11月18日(福井新聞社ヘリから撮影)

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉後の高速炉開発を巡り、中核企業の三菱重工業が、実証炉を2030年代に建設し、40年代に運転開始する計画を明らかにした。また電気事業連合会は、本格的な実用化が21世紀後半になるとの認識を示した。これらの意見を参考に、経済産業省は12月3日、高速炉開発会議の作業部会で開発工程表の骨子案を示す。

 同部会に提出された資料によると三菱重工は、もんじゅの建設開始から30年以上が経過する中、技術伝承のためには建設経験のある世代が残る今後5年のうちに大まかな設計をすれば、効率的な開発が可能と主張。主要工程案では、20年代の終わりに基本設計に入り、30年代中ごろに着工。40年代の初めごろに運転開始し、技術実証が可能としている。

 また、戦略に柔軟性を持たせるため、これまで検討してきた大出力の高速炉だけでなく、小型高速炉なども幅広く検討し、市場ニーズに応えられるようにする。

 一方、電事連は高速炉の実用化時期について、「現状のウラン需給の観点から、既存プラントの廃炉後は軽水炉での建て替えとなる可能性が高い」として、高速炉の実用化はさらにその先の21世紀後半になるとした。

 加えて、「研究開発段階から社会および地元に理解されることが重要」と指摘。当面の研究開発段階では、軽水炉の知見を活用し、事業者側の意向を反映させることについて協力するとした。

 高速炉開発を巡り政府は、今後10年間の開発目標などを盛り込んだ工程表を年末までにまとめる予定。経産省は16年に高速炉開発会議を立ち上げ、17年3月から作業部会で詳細を議論している。

関連記事