住民や観光客など多くの人が体験した自動運転車=11月3日、福井県永平寺町東古市

 福井県永平寺町で自動運転車を定時運行し一般に開放する1カ月間の実証実験が11月30日に終了した。利用人数は700人超と予想を上回り、地元住民の通院や買い物など生活の足として利用も一定数あった。ただ低速走行による長時間の乗車が観光客から敬遠されるケースがあるなど、実用化に向けた課題も浮かび上がってきた。

 ■全国から注目

 実験は国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)などが、町遊歩道「永平寺参(まい)ろーど」東古市-志比の全区間約6キロで10月末に始めた。車両2台を始点、終点双方から同時に走らせ、1日計14便定時運行させる全国でも珍しい取り組みだ。

 運行を担った地元の第三セクター「えい坊くんのまちづくり会社」によると、利用者は予約が必要な平日だけで517人に上り、その多くは体験目的とみられるという。予約不要の土日祝日利用は221人だった。

 町総合政策課では「これほど乗車数が伸びると思ってなかった」と高い関心に驚き、「まず自動運転を乗って知ってもらうという目的は達成できたのでは」とみる。県外からの予約も相当数あり、運営に当たった学生からも「全国から町の自動運転が注目されている証」との声が聞かれた。

 ■需要生み出す

 乗車客の内訳を見ると、住民利用は60~80歳の高齢者が中心。えちぜん鉄道永平寺口駅に近い東古市で降車し、買い物や通院に向かう利用があった。また志比南小(同町市野々)のバス通学児童を対象に、下校時の活用を実験的に実施。実用化を見据え幅広い世代の住民利用が見込めることをつかんだ。

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