フェイスブックの「福井災害情報」のページ。今も約8700人が参加している

 今年2月の記録的な大雪の際にフェイスブック(FB)上に開設されたグループ「福井災害情報」は、9カ月以上たった今も約8700人が参加し、大雨や台風時の情報ツールとして活用されている。SNS上のやりとりにとどまらず、防災セミナーを開くなど、メンバーの防災意識向上にも一役買っている。

 「8号線、○○付近、木が折れて飛散しています」「越前市△△町、コンビニ近くの街路樹、根こそぎ折れています」「敦賀市内、雨風強くなってきました。外に出ると危険」―。9月上旬、非常に強い台風21号が福井県内を直撃した際、福井災害情報のページには多くの投稿が寄せられた。

 目の前で起こったことを書き込むのが基本で、メンバーが川の増水、道路の渋滞などの情報を写真や動画とともにアップ。管理人を務める福井市の自営業、横田義弘さん(60)も台風接近前にはスマホの充電や屋外の倒れやすいものを片付けるよう呼び掛けている。「情報を提供するボランティアという意識でみんなが発信している」(横田さん)という。

 福井災害情報は2月の大雪時、ネット上に「情報が少ない」という声が多くあったことを受け、横田さんが同10日に開設。当初メンバーは400人だったが、10日後には約8500人に膨らみ、道路の通行止めや渋滞情報、ガソリンスタンドの営業状況といった情報を共有した。

 FB上のグループは、FBユーザーなら誰でも参加できる交流の場。大雪時に開設されたグループが続いていることについて、横田さんは「今年は県内外で台風や大雨、地震が相次ぎ『いつか再び福井でも』という備えの意識が大雪以降もずっと続いているからでは」と話す。

 もともと防災に関する意識が高いメンバーも多く、10月には福井市内で市危機管理室の担当者を招いた防災セミナー、市消防局と連携した救急救命講座を相次いで開催。ともに約20人が参加した。福井災害情報のメンバー内で防災士の資格を取る機運も盛り上がり、約20人が取得した。

 災害時に身近な地域の情報を瞬時に共有できるSNSの威力は大きい。本格的な冬の訪れを前に横田さんは「今後もデマや『炎上』を防ぎつつ、正しい情報を届けて少しでも役に立てれば」と抱負を話している。

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