来春の福井県知事選への出馬を表明している現職の西川一誠氏(左)、前副知事の杉本達治氏(右)

 来春の福井県知事選を巡り、自民党県連は11月28日、前副知事の杉本達治氏(56)の推薦を党本部に上申した。これに対し、5選を目指す現職の西川一誠氏(73)を支持する県議の会などは「強行採決による執行部の決定は無効」と反発を強め、白紙化や自主投票を求めている。双方の溝は埋まっておらず、このままでは県連を二分する恐れがあるため、党本部が推薦上申をどう取り扱うか、見通しは不透明だ。

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 杉本派の関係者によると、山崎正昭会長や斉藤新緑幹事長ら県連幹部が党幹部と面会し、党本部推薦を求める上申書を渡した。来夏参院選の福井選挙区で再選を目指す現職の滝波宏文氏(47)の公認を求める上申書も提出した。

 杉本氏の推薦上申について斉藤幹事長は福井新聞の取材に「なるべく早めの推薦をお願いしたところ、『早く出さないといけない』という趣旨の言葉をいただいた」と述べた。同席した別の県連幹部は「快く受け取ってもらえたと思う。杉本氏の推薦が決まったら、県連が一致団結していけるように汗をかいていきたい」と語った。

 これに対し、県議会最大会派県会自民党の県議15人でつくる「西川県政と共に歩む会」の幹部は「西川、杉本両氏の推薦願が県連に提出されたわずか数日後、たった18人の執行部会だけで、強行採決で決定した杉本氏の推薦上申は党員や関係団体の幅広い意見が反映されておらず無効だ。その後の総務会でも異論が噴出し、混乱した状況は何も変わっていない」と指摘する。別の幹部も「総務会が紛糾したことは党幹部にも伝わっているはず。推薦上申の取り扱いについて軽々に判断できる状況にはない」としている。

 自民の推薦問題を巡っては県連は10日の執行部会で、知事選候補者の推薦を「連続3期まで」とする党本部の選挙対策要綱に基づく県連ルールにのっとり、党本部が推薦できる杉本氏だけを議論の俎上に載せ、推薦上申を多数決で決めた。これに対し西川派は即座に抗議文を県連に提出し、23日の総務会でも「石川県連は谷本正憲氏の7選出馬の際に推薦した。県連としての推薦は、西川氏の5選出馬に当たって全く問題はない」などとして、白紙化や自主投票を強く求めた。だが、斉藤幹事長は「ルールに沿った決定事項を覆すことはできない」とし、速やかに党本部に上申する方針を示していた。

 知事選ではこのほか、県議の中井玲子氏(60)が出馬を表明。共産党県委員会も候補者擁立を模索している。

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