福井城址に飛来しているコサギの群れ。別種のサギも混じっている=福井県福井市大手3丁目

 福井県福井市の福井城址に毎年シラサギが飛来し、集団で営巣している。例年の光景だが、集団の中に県域絶滅危惧2類のコサギが多くいることが分かった。サギは住宅地の近くに住み着き、ふん害や騒音のため追い払われることもある厄介者だが、住宅地と堀で隔てられているためか、特に周辺住民から苦情は寄せられておらず、「安住の地」となっているようだ。近くで十分な餌が取れるという周辺の自然環境の良さもある。

 シラサギは白いサギの総称で、コサギもその一つ。全長約60センチで、足の指が黄色いのが特徴。県レッドデータブックでは出現率が急激に低下しているとして、絶滅の危険が増大している2類に指定されている。外来魚の分布拡大により、餌となる小魚が減少したことが原因だという報告がある。東京都の一部、千葉、栃木両県でも2類、新潟、長野県では準絶滅危惧種に指定されている。

 福井県自然環境課や財産活用推進課によると、福井城址には特に春から夏にかけて多く飛来するが、ふん害や騒音といった苦情は入っていない。県職員が日々行き交うため、「カラスなど外敵に襲われにくいというメリットもあるのでは」(県自然環境課)と推察する。市自然史博物館の出口翔大学芸員は「近くの足羽川で餌を取っているのだろう。水質がきれいで餌が豊富な証拠だ」と話す。

 県はコウノトリのすみよい環境整備に取り組んでいる。同課の担当者は「田園でサギが多く見られるのであれば、うまく自然再生が進んでいるバロメーターになるのだが…」。城址は市街地のど真ん中で、人に迷惑を掛ける可能性もあり複雑な表情。一方で「今のところほどよく人と共存しているのでは」と現状を見守っている。

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