福井県1JAの合併基本構想を決議したJA県大会であいさつする田波俊明会長(中央)=11月27日、福井市の県農業会館

 福井県JAグループの活動方針を決める第25回JA県大会は11月27日、福井市の県農業会館で開かれ、2020年4月に県内12JAが一つになる県1JAの合併基本構想を決めた。合併によるスケールメリットを生かして農畜産物の販売高向上や生産コストの削減を図り、農業者の所得を2割アップさせ、持続可能な農業環境の構築を目指す。来年7月に各JAが合併総代会を開き、組合員の賛同が得られれば合併に参加する。

 基本構想によると、農畜産物の年間販売高は、県内一元集荷による販売拡大を図ったり、キャベツ、白ネギといった集落園芸主要5品目の作付面積を増やしたりして、合併3年後には327億円(17年度実績303億円)に増やす。

 生産コストの削減に向けては、農業資材を大規模ロットで購入することで単価を下げるなどする。老朽化が進むコメ・麦の乾燥調製施設は、現在の48カ所から合併3年後には31カ所に統廃合し、運営コストを1億5千万円減らす。

 農業資材の購入やAコープの利用などあらゆる事業の利用に対してポイントを付与する総合ポイントサービスを県内全域で展開し、年間3億3800万円を組合員に還元する。
 新JAの名称は「福井県農業協同組合(JA福井県)」。本店は現在の県農業会館(福井市大手3丁目)に置く。各地には、営農指導の拠点となる基幹支店や総合支店、金融特化支店を配置する。

 各JAが行っている事業、職員は新JAが引き継ぐ。12JAで計約300人いる役員は、理事が50~70人、監事が5~9人とする。新JA発足後半年をめどに、中央会、経済連などの連合会を統合する。

 大会にはJA役職員ら約250人が出席。JA県5連の田波俊明会長はあいさつで「JAの経営を圧迫する要因が増え、農業、JAは転換期を迎えている。『頼れるJA』構築に向けた合併実現に全力を尽くしていただきたい」と述べた。

 JAは日銀のマイナス金利政策などの影響で、営農事業の原資となる信用事業(金融)の収益が伸び悩んでいる。組合員の高齢化、集荷施設の老朽化も進んでいる。各JAは施設の統廃合など合理化を図っているが、それぞれの取り組みでは限界があるため、合併によって効率的な施設運用や組合員サポートに注力したい考え。今年1月、県1JAに向けた合併促進協議会が発足し、議論を進めてきた。

 JA県中央会によると、全国では奈良など4県で1JAが実現。28日はJA秋田中央会が県内の全14JAを2024年をめどに統合し、県単一の組織とすることなどを盛り込んだ議案を審議するなど、「1県1JA」により、地域農協の経営基盤を強める動きは全国的に広がっている。

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