高さが3メートルあるテオ・ヤンセン氏が制作した作品「オルディス(WING)」(C)Media Force

「オルディス(ORIGAMI)」(C)Media Force

 来年9月に福井県のサンドーム福井で開かれる「国際北陸工芸サミット」のメイン企画となるオランダの国際的アーティスト、テオ・ヤンセン氏(70)の越前和紙を使った2作品が完成した。伝統工芸と初めてコラボレーションしたヤンセン氏は「(越前和紙は)ビューティフルアンドストロング(美しくて強い)」と高く評価。県は、風を受けて走りだす作品の映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、国内外にアピールしている。

 ヤンセン氏は「現代のレオナルド・ダヴィンチ」と称される世界的アーティスト。風を受け生命体のように走りだす大型アート「ストランドビースト」が高い評価を受けている。従来は、プラスチック製の骨組みにパラシュート用生地を組み合わせ制作している。

 福井県は2016年11月、「越前和紙とヤンセン氏の作品をコラボレーションできないか」と代理人を通じて提案した。約1年後、ヤンセン氏から「風を受けてストランドビーストの推進力を生むという原理は和紙も同じで、対応できる」と承諾を得た。

 福井県越前市の若手職人瀧英晃さん(39)=滝製紙所=が和紙を製作した。和紙にコンニャク芋を原料とするのりを塗り、強度を高めた。今年3月に縦2メートル、横4メートル、厚さ0・02ミリの和紙4枚と縦1メートル、横2・5メートル、厚さ0・02ミリのものを2枚をオランダへ送った。

 完成した2作品は「オルディス(WING)」(幅6・5メートル、高さ3メートル、奥行き2メートル)と「オルディス(ORIGAMI)」(幅2・5メートル、高さ3メートル、奥行き2メートル)。同9月にオランダの海岸で行った試走では、風速10~15メートルの強風下だったが、和紙が破れることはなかった。瀧さんは「和紙職人として、先方が期待する以上の品質のものを作ることができたのは本当に良かった」と話した。

 2作品を含むヤンセン氏のアート作品約10点をサミットで展示する予定。西川一誠福井県知事は11月21日の会見で「作品は県恐竜博物館での展示などを検討しながら、広く越前和紙の魅力や技術の高さをPRしていく」と強調。県地域産業・技術振興課は「アートでの活用に加え、壁紙やインテリアなどの分野にも素晴らしさを売り込んでいきたい」と話している。

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