福井県内で発覚した「子犬工場」を例に、動物を取り巻く現状について講演する杉本彩さん=11月25日、福井市の福井県産業会館

 熱心に動物愛護活動に取り組む女優杉本彩さんの講演「人と動物が共に幸せに暮らせる社会の実現に向けて」が11月25日、福井市の福井県産業会館であった。杉本さんは今春県内で発覚した大量繁殖場「子犬工場(パピーミル)」問題などを例に「殺処分の背景には、無計画に犬や猫をお金もうけのために生産している現状が諸悪の根源としてある。命の軽視に違和感を持ってほしい」と約300人の来場者に呼び掛けた。

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 公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」(東京)理事長の杉本さんは、子犬工場問題について「過密飼育のストレス行動がみられる。成犬の首根っこをつかんでの給餌もとんでもないこと」と指摘。行政が「問題ない」と判断し、福井地検が不起訴処分としたことに「憤りを感じる。日本の文化、道徳レベルはどうなのか。命を軽視した粗末な扱いは見過ごせない」と熱弁を振るった。

 今年は5年に一度の動物愛護管理法改正年に当たり、「現在の法律は私たちの感覚から離れていて機能不全に陥っている。繁殖回数など数値の明記や厳罰化が必要」と話した。

 ペットショップで多く見られる子犬、子猫の生体展示販売については「店員が抱っこを促し、衝動買いさせるビジネスに違和感を持ってほしい。大量生産大量流通の背景には必ずロスがある。売れ残ったらどうなるか想像して」。全国的に行政の殺処分数は減っているが、「行政が引き取っていないから数が減っているだけ。全く問題の解決になっていない。私たちは無責任な飼育放棄ゼロ、無責任に生産する業者ゼロを目指すべきだ」と訴えた。

 杉本さんは保護された犬猫の里親探しや野良猫の不妊手術などの活動を行っているNPO法人福井犬・猫を救う会の設立10周年記念イベントに招かれた。坂井市在住のシンガー・ソングライター、ヒナタカコさんによる書き下ろし曲「ひとつの星で」の初披露もあった。

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