【越山若水】昨年のベストセラー「ざんねんないきもの事典」を書いた動物学者の今泉忠明さん。同書の5年前に「外来生物 最悪50」(ソフトバンク・クリエイティブ)という本を出版している▼特定外来生物をはじめ、日本の野外に定着している動物が固有の生態系にどれだけ悪影響を与えているのか、点数で評価しランキングにまとめた本である▼ワースト1位に選ばれたのは、意外なことに、アライグマである。1977年のテレビアニメで人気を博し、むしろかわいいと親しまれた動物だ▼それが今や悪者呼ばわりである。当時ペットとして北米から大量に輸入された。ところが野生のアライグマは牙も爪も鋭く性格も凶暴。油断をすると大けがを負う。怖くなって野山に捨ててしまった▼昨年までの調査で秋田、高知、沖縄を除く44都道府県でアライグマを確認。生息地は3862カ所を数え、10年前の3倍に拡大した。野菜や果樹の被害も3億円を下らない▼飼ってはみたものの、手に負えず放獣する無責任さが、日本固有の生態系を破壊するばかりか、自治体に膨大な駆除費用を強いる。何とも悲しい現実▼ちなみに同書ワースト2、3位は野良猫と野良犬が名を連ねる。今週11月22日は「ペットたちに感謝する日」。犬と猫の鳴き声「ワンワン」「ニャンニャン」にちなんで制定された。人間の身勝手さを反省したい。

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