『Fukushima 50』への出演が明らかになった(左から)渡辺謙、佐藤浩市

 東日本大震災時の福島第一原発事故を描く映画『Fukushima 50』の製作決定が20日、明らかになった。主演を務めるのは佐藤浩市、共演には渡辺謙、メガホンをとるのは『ホワイトアウト』(2000年)、『沈まぬ太陽』(09年)などを手掛けた若松節朗監督。

【画像】『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』原作書影

 原作は、門田隆将氏が90人以上の取材をもとにつづった『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫刊)。2011年3月11日、日本の観測史上最大の地震が発生。想定外の大地震が引き起こした巨大津波は、福島第一原子力発電所を襲った。電源を失い、原子炉は冷却が不可能となり、原子炉建屋は次々に水素爆発を起こし、メルトダウンが迫っていた。

 1・2号機当直長・伊崎利夫氏は第一線で厳しい決断を迫られ、吉田所長は現場の指揮を執りつつ、状況を把握していない本社とのやりとりに奔走していた。緊急出動する自衛隊に、“トモダチ作戦”の発動とともに米軍も動いた。福島原発を放棄した場合、避難半径は250キロ、対象人口は5000万人にも及ぶ。その中で、現場に残り続けた約50人の作業員を、海外メディアは“Fukushima 50”と呼んだ。

 現場で起きていたこと、人間の強さと弱さ、現場と本社、官邸との食い違いなど、東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して残った職員たちは、家族、そして故郷を守るためいかにしてこの大事故と戦ったのか。伊崎氏を佐藤、吉田所長を渡辺が演じ、渾身のノンフィクション作品をスクリーンに映し出す。 脚本はNHK大河ドラマ『黒田官兵衛』の前川洋一氏。クランクインは11月末、クランクアップは2019年末、公開は20年を予定している。

■キャスト・スタッフコメント

佐藤浩市(福島第一原発1・2号機当直の伊崎利夫役)コメント
 忘れる事で前に進む、失敗をしても何度もトライをする、それは生き物の中で人間だけが出来ることです。しかし絶対に忘れてはいけない、繰り返してはいけない事があります。あの日あの時どういう状況に我々が、日本があったのか?その事を思い出し、明日のそして後世の為の映画を若松監督、渡辺謙さん達と一緒に確認をしながら作りたいと思います。

渡辺謙(福島第一原発所長の吉田昌郎役)コメント
 『許されざる者』の撮影中、浩市くんに映画100本目の時はどんな役でも参加するよと、約束してました。でも、気軽に参加する作品ではありませんでした。今もなお苦しみの続く福島の方々の思いを受け止めながら『沈まぬ太陽』以来の若松監督、そして浩市くん、素晴らしいキャストと共に緊迫感溢れる画を積み重ねていきたいと思っています。ご期待下さい。

若松節朗 監督コメント
 2011年3月11日から15日にかけての福島第一原発を襲った事故は国内だけではなく世界の人々をも震撼させた。穏やかな海は荒れ狂う大津波となって原子力発電所の命綱である全ての電源を奪ってしまった。この映画は家族や生まれ育った町や村を守る為に命を賭して未曾有の危機に挑んだ人々の話です。あの時、現場にいた者しか知り得ない真実を描いて行こうと思っています。スタッフ、キャスト一同全力で準備を進めています。沢山の方に注目して頂ける映画になる様、強い覚悟で臨みます。

角川歴彦 製作代表コメント 
 東日本大震災から早くも7年あまりの歳月が過ぎ去ろうとしています。あの日あの時、多くの日本人が感じたのは大自然への畏怖であり、大自然の力がどれだけ人間の想定を越えたものであるか、科学がいかに大自然の前では儚いものであるかを突きつけられました。製作を進める中でさらにその思いを深くしております。しかし、たとえ人間の力が及ばないとしても、実際にその状況で最善を尽くした人たちがいたことを忘れてはならない、無名の人々が報道では知り得ない努力をしていたことを伝えるべきだと感じ、今回のドラマの中核に据えました。そこには映画ならではの感動があり、皆さんにご覧いただくと共に、日本人として誇りに思うべき彼らの姿を、尊敬の念を持って後世に残したいと考えております。生々しすぎるという声もありますが、それを乗り越えて世界に発信していかなければなりません。角川映画には『金環蝕』『金融腐食列島「呪縛」』『沈まぬ太陽』という社会問題をテーマとした作品を製作してきた伝統があります。来たる2020年、”復興五輪”と銘打たれた東京オリンピック・パラリンピックを控えたこの時期にこそ、今一度、震災の記憶と向き合い、復興への思いを新たにする作品を世に問う、それこそが映画人の使命であると考えております。

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