抜本対策工事が施された福井県敦賀市樫曲の民間最終処分場=2010年11月、福井新聞社ヘリから撮影

 全国から許可量の13倍を超えるごみが持ち込まれた福井県敦賀市樫曲の民間最終処分場の抜本対策工事費を巡り、敦賀市が負担した費用の一部約3億1千万円を支払うよう排出元の岡山県津山市など3市町(旧津山圏域東部衛生施設組合)に求めた訴訟の控訴審で、敦賀市と3市町は11月19日、いずれも名古屋高裁金沢支部が出した和解勧告を受け入れる方針を示し、3市町が約2億円を支払う和解が成立する見通しとなった。

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 各市町は12月議会に関連議案を提案する方針で、承認されれば来年1月15日に正式に和解が成立する見込み。2000年に廃棄物処理業者による大量のごみの違法搬入が発覚後、敦賀市が負担した対策工事費を巡り、一般廃棄物を持ち込んだ全国60団体との費用負担問題は、全面解決に向け大きな一歩を踏み出した。

 津山市の谷口圭三市長は11月19日開かれた記者会見で「3市町で協議の結果、和解案を受け入れる」と表明。同市環境福祉部は受け入れ理由について「審理で十分な主張、立証を尽くしたが、その上で出された高裁の和解案の重みや今後の見通しを総合的に勘案した」とした。

 敦賀市の渕上隆信市長も同日、「勧告を真摯(しんし)に受け止め、和解に向けた関連議案の提出などの手続きを進め、問題解決に向け努力する」とのコメントを発表した。

 高裁金沢支部の和解案は3市町に対し、一審の福井地裁判決の約5200万円を大幅に上回る約2億600万円を支払うよう求める内容で、06~14年度の対策工事費などの敦賀市負担分のうち3分の2を廃棄物の搬入量に応じて案分した。同市環境廃棄物対策課は「市の主張が全面的に認められた」とした。

 処分場の対策工事費や浄化処理費は17年度までに計約107億円掛かり、うち敦賀市は約21億円を負担。同市は06年度以降、排出元60団体に費用負担を請求してきたが、支払いに応じたのは31団体のみ。岡山県3市町以外に、関東などの6団体に計約6億3400万円の支払いを求めて福井地裁に提訴、係争中で、残り22団体は判決に応じて対応を決めるとしている。

 同課は「今後、自治体間での訴訟が円滑に収束に向かうことを願っている」とし、和解成立後は係争中の6団体や未納22団体に対して理解、協力を求めていく考えを示した。

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