義手でバイオリンを演奏する伊藤真波さん=11月17日、福井県福井市のアオッサ県民ホール

 右腕を事故で失った後に看護師になる夢をかなえ、競泳でパラリンピック2大会に出場した伊藤(旧姓野村)真波さん(34)=兵庫県=が11月17日、福井市のアオッサ県民ホールで講演した。義手を使って特技のバイオリン演奏を披露し「あきらめる人生を覚悟したが、作業療法士さんや義手との出会いで夢がかない、毎日笑顔で生活できている」と感謝した。

 18日まで市内で開催中の東海北陸作業療法学会の中の市民公開講座として開かれ、約300人が聴講。担当作業療法士の柴田八衣子さん(同県)とともに登壇した。

 伊藤さんは看護学生だった20歳のときに交通事故に遭い右腕を切断。失意の底にあった伊藤さんを支えたのは、無理に義手を付けようとせず、見守ってくれた柴田さんの存在だったという。

 「傷口をあえてさらすことで強くなりたい」と始めた水泳で、3年後にパラリンピック代表に。看護師の夢をかなえた後には専用義手を製作してもらい、子どものころに習ったバイオリンを再開。演奏を収めたネット動画は世界中で話題を呼んでいる。

 現在一人娘を育てながら講演活動をしているという伊藤さん。「この義手に込められた皆さんの愛を無駄にしないよう、おばあちゃんになっても弾き続けたい」と語り、中島みゆきさんの「糸」など3曲を演奏。会場の拍手喝采を浴びた。

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