「男性も風疹予防に取り組んでほしい」と話す高橋仁講師=福井県永平寺町の福井大学医学部附属病院

 全国で風疹の流行が広がり、福井県内でもここ1カ月で2人の患者が報告された。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんの耳や目、心臓に障害が出る「先天性風疹症候群(CRS)」につながる危険性がある。風疹はワクチン接種でほぼ防げるが、妊娠中の女性は接種できず、接種しても抗体が付かない人がいることなどから、専門家は「男性も含め、社会全体で流行を防ぐことが大切」としている。

 福井大学医学部産科婦人科講師の高橋仁さんによると、風疹は飛沫感染し、2~3週間の潜伏期間の後、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出る。1~2割は症状が出ない「不顕性感染」で、かかっていることに気付かない場合もある。妊娠5カ月までの女性が感染し、胎児にうつってしまうと、白内障や難聴、心疾患などの障害が出る恐れがある。今回の流行は、全国で1万6千人を超える感染者が出た2013年前後の流行と感染者の増加具合が似ているという。その時は45人のCRSが報告され、うち11人が死亡した。

 国のワクチン接種制度はたびたび変更されてきた。接種機会は▽1990年4月2日以降に生まれた男女は2回▽62年度~89年度に生まれた女性、79年~89年度に生まれた男性は1回▽79年4月1日以前に生まれた男性は0回。30代後半からの男性は未接種が多く、1回の機会があっても情報が少なく未接種の人もおり、近年は30~50代男性が感染者の中心となっている。

 妊娠前2カ月と妊娠中の女性は原則ワクチン接種ができない。また、2回接種しても、低い確率ではあるが抗体が付かない場合がある。幼少期に1回接種したのみの人は、免疫が弱まっていることも。

 高橋さんは「接種の記録がない人、風疹にかかったことがない人は、まずは抗体があるか検査して」とし、「特に妊娠を希望する女性やその家族、職場に妊娠の可能性のある女性がいる人などは注意が必要」と訴える。「男性は自分は関係ないと思いがちだが、自分の子どもや孫らを守るためにも、予防接種をしてほしい」と話していた。

 福井県は妊娠を希望する女性を対象に無料で抗体検査を実施しているほか、ワクチン接種の費用を助成している市町もある。

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