2年前に腰椎すべり症と診断されました。腰骨が1センチ程度ずれています。常に痛いわけではなく、時々痛くなります。ひどいときに痛み止めを飲むぐらいで、本格的な治療はしていません。今後どのようになっていくのかが心配です。治療法や原因、日常生活で気を付けるべきことについて教えてください。(福井県大野市、59歳女性)

【お答えします】太田敬・福井県済生会病院整形外科医長

 ■「変性」型は加齢などが原因

 腰椎(腰の骨)は、似た形をした5個の骨が重なり合って形成され、骨同士は複数の靭帯や、椎間板という骨の間にあるクッションのような組織でつながっています。そのため、骨同士はある程度の可動性を持ちつつも、大きなずれを生じないようになっています。

 腰椎すべり症とは、何らかの理由で上下の腰椎がずれる疾患で、変性すべり症と分離すべり症に分かれます。

 変性すべり症は、加齢などにより靭帯などのつながりが弱くなることが原因で生じます。多くの場合、椎間板が押しつぶされて横方向に膨らんだり、黄色靭帯という靭帯が分厚くなったりします。靭帯や椎間板が十分に機能していないことから、腰痛を生じることもあります。

 腰椎は中心に穴(脊柱管)が開いた構造をしており、その脊柱管に神経が通っています。この神経が、膨らんだ椎間板や黄色靭帯に圧迫されることがあります。太もも、すね、ふくらはぎ、足などの痛みやしびれを生じたり、感覚が鈍くなったり、力が入りにくくなったりします。

 分離すべり症は、腰椎分離症(小児期の疲労骨折や、先天的な原因により、腰椎の一部分である椎弓という部分が分離している)を原因として腰椎がずれている疾患です。脊柱管の狭窄(きょうさく)は起こりにくいですが、腰痛が出てくることはあります。また、腰から足に向かう神経が圧迫され、痛みを生じることもあります。

 ■痛み止め、体操を基本に経過みる

 どちらのタイプでも、経過とともにすべりが進行してくることもありますし、そのまま安定することもあります。基本的には、痛み止めの使用や腰回りの柔軟体操・筋力訓練をして経過をみることになります。

 重い物を持ったり、前かがみの姿勢で長時間作業することは望ましくありません。病状が進行して、神経圧迫による症状(足のしびれや痛みなど)や著しい腰痛を認める場合には手術が必要になる場合もあります。心配な時は整形外科を受診してください。

関連記事