大部分が黒塗りで開示されていた議事録の一部

 福井県大野市の小中学校再編に関する学校教育審議会の議事録の公開請求に対し、市教委が委員の発言部分を非公開としたのは「知る権利」を侵害しているなどとして、市民2人が市教委を相手に公開を求めた訴訟の判決言い渡しが11月14日、福井地裁であった。武宮英子裁判長は、発言者らの個人情報を除いた部分を非開示にしたのは違法と認めた上で、議論内容を「知る必要性は高い」として、市教委に発言部分を開示するよう命じた。

 判決などによると、2人は2016年2月、それぞれ公開請求した。市教委から14年6月~15年12月に開催した審議会12回分の議事録(復命書)が一部公開されたが、委員の発言の大部分が黒塗りだったため、市教委に異議申し立てを行った。

 市教委は、申し立ての妥当性を判断するため、弁護士ら第三者5人でつくる「大野市情報公開・個人情報保護審査会」に諮問。審査会は「委員や発言者を特定できる事項を除いて公開するのが相当」と答申したが、市教委は16年12月、「第1回会議で非公開と委員の守秘義務を確認した」「意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある」などとして、再び申し立てを棄却した。

 判決理由で武宮裁判長は「小中学校の再編計画は市民全体の生活に大きな影響を与え得るもので、市民の強い関心事項」と指摘。審議会が16年1月、小中学校を順次統合する方向での再編計画を記載した答申を策定したことについて「小中学校再編に関する多様な意見がどのように検討、反映されたのかを、市民が知る必要性は高い」と認めた。

 市教委側はこれまでの答弁で、審議会の発言を公にすることで、率直な意見の交換や意思決定の中立性が損なわれる恐れがあると主張。「人間関係の濃密さなどの影響を受ける小規模自治体において懸念すべき点」としていたが、武宮裁判長は「大野市が小規模自治体であることを踏まえても左右されない」と退けた。弁護士らの審査会が、個人を特定できることを除いて「公開が相当」と答申した通り、審議会の出席委員や発言者の氏名、職業などは不開示が相当だとした。

 市教委は「判決文が手元に届いていないため、コメントは差し控える」としている。

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