梅毒患者報告数の推移

 国立感染症研究所は11月13日、主に性的接触でうつる梅毒の今年の患者報告数が5811人になったと発表した。昨年の速報値5770人を超え、現在の方法で集計を始めた1999年以来で最多の年になることは確実。放置すると最終的には脳や心臓に合併症を起こし、妊婦の場合は流産や胎児の障害につながる恐れがある。厚生労働省は検査を通じた早期発見や、コンドームによる予防を呼び掛けている。

 福井県の今年の患者数は18人で、99年以降最多だった昨年の23人に迫っている。2009~14年は1~4人で推移していたが、15年10人、16年15人と増加傾向になっている。

 梅毒の患者は女性が20代、男性は20~40代に多い。4日までの1週間に76人が報告された。都道府県別では東京が1474人と突出している。増加傾向は2011年から続いているが、原因ははっきりしていない。

 厚労省は来年から、医療機関に求めている患者報告を詳しくし、感染経路に応じた集中的な啓発を行う方針だ。

 また首都圏を中心に流行する風疹は、4日までの1週間に新たに154人の患者が報告された。週に100人を超える報告が9週続いている。

 梅毒の原因は梅毒トレポネーマという細菌。抗菌薬で早期に治療すれば完治するが、症状が出てもしばらくすると消えるため、感染に気付かないまま他人にうつす可能性がある。また、一生にわたる免疫ができず、再び感染する危険性も高い。

 感染すると、約3週間で菌が入った肛門や性器、口にしこりができる。一度消えた後も菌は全身に広がり、1~3カ月後に手足などに発疹が出る。治療しなくても症状は消えるが、何年もしてから臓器に障害が現れる。

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