再現した北條家の台所=東京都大田区の昭和のくらし博物館

 映画「この世界の片隅に」の登場人物たちの衣装をイメージした展示=東京都大田区の昭和のくらし博物館

 1951年建築の民家を保存し、戦後の暮らしを再現する「昭和のくらし博物館」(東京都大田区)で、「映画『この世界の片隅に』〜すずさんのおうち展」が開かれている。

 「この世界―」は、戦時下の広島・呉に18歳で嫁いだヒロイン、すずの日常を丹念に描いたアニメ作品で、約2年間上映が続く大ヒットとなった。

 映画製作前に片渕須直監督と浦谷千恵監督補が同館に足を運び、文机や井戸を作画の参考にしたほか、昭和時代の家事を学ぶ体験講座に参加。かまどを使った飯炊きや、茶殻をまく掃き掃除などを体験し、リアルな動きの表現に生かした。

 すずが嫁いだ北條家の茶の間や台所、土間を再現した“すずさんのおうち”コーナーに入ると、映画の世界へといざなわれる。

 劇中、すずがこしらえた代用食「楠公飯」の食品サンプルや、もんぺに仕立て直すために裁ち切った着物は、ファン心理をくすぐる。もんぺや軍服といった登場人物が着ていた衣装をイメージした展示もある。

 アニメの複製原画や製作ノート、片渕監督が集めた資料を紹介するコーナーも。同館での体験を基に、浦谷監督補が描き下ろした12点のイラストも見ものだ。

 来年5月6日までの会期中、井戸の水くみやてんびん棒担ぎ、もんぺの試着などを体験できる。

 12月24日には、同館近くの大田区民プラザで片渕監督と浦谷監督補、小泉和子館長のトークイベントも行われる(要予約)。

 開館日は金、土、日曜と祝日の午前10時から午後5時。入館料は大人500円など。問い合わせは同館、電話03(3750)1808。

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