来春の福井県知事選を巡り、西川一誠氏と杉本達治氏の推薦願の取り扱いを協議した自民党福井県連の執行部会=11月10日、福井市の県繊協ビル

 来春の福井県知事選を巡り、自民党福井県連は11月10日、福井市の県繊協ビルで執行部会を開き、5選を目指す現職の西川一誠氏(73)と、前副知事の杉本達治氏(56)の推薦願の取り扱いを協議した。西川氏の実績を踏まえ慎重な判断を求める声がある中、多数決で杉本氏の推薦を党本部に上申することを決定した。これに反発し、県議の「西川県政と共に歩む会」は「強行採決による決定は無効」との抗議文を山崎正昭会長に提出した。双方の対立が先鋭化し、県連が分断する極めて異例の事態となった。

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 執行部会にはメンバー18人のうち16人が出席。冒頭を除き非公開で協議した。

 会合後、山崎会長と斉藤新緑幹事長が記者団の取材に応じた。斉藤幹事長は、知事選候補者の推薦は「連続3期まで」とする党本部の選挙対策要綱に基づく県連ルールにのっとり「党本部が推薦できる杉本氏を優先し、それが妥当かどうか協議した」と説明した。西川派の県議から異論が出たものの、議長役の斉藤幹事長を除いて採決した結果、委任状2人を含む12人が杉本氏の推薦上申に賛成し、反対は5人だったという。

 山崎会長は反対意見がある中、多数決で結論を出したことに「物差しは県連ルールと言わざるを得ない」と説明した。その上で「引きずると、ぼやが大火になり、収拾がつかなくなると判断して決めさせてもらった」と述べた。

 これに対し、「西川県政と共に歩む会」の10人が会合終了後、即座に「執行部の決定は無効」とする抗議文を山崎会長に手渡した。▽斉藤幹事長が県連に諮ることなく杉本氏に出馬要請し、党員並びに関係団体に著しい混乱を招いたことは辞職に値する▽知事選の推薦の取り扱いは、わずか18人の執行部だけの決定ではなく、党員の幅広い意見を聞き総意の下、諮るべき―と強調。「各候補者の政策、人柄、政治信条などをしっかり理解した上で、県連で慎重かつ丁寧に審議すべきであり、推薦願が提出されて数日の現状において拙速に結論を図るべきではない」とした。

 「歩む会」会長で県連会長代行の山岸猛夫氏は「この問題は県内で大混乱を招いている。総務会や拡大執行部会などで党員や関係団体の幅広い意見を聞いた上で慎重に判断すべきだと申し上げたが、どうしてもこの場で決めたいということで聞き入れられなかった。強行採決ありきだった。大変残念だ」と述べた。

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