【越山若水】よく知られたジャーナリスト氏がキャッシュレス化に否定的な発言をしたところ、批判する声がツイッターにあふれた。氏は70代。どちらが正しいというよりも世代の違いが表れたかなと思っていたら、それを裏付けるような調査が先日、本紙に載った▼消費増税の際、キャッシュレス決済をすればポイントがたまる還元策に60代以上は4人に3人が反対。逆に30代以下では賛成の方が上回っていた▼ふだん電子マネーなどに親しみがない層なら、戸惑いがあるのは自然である。これを本気で増税時の消費刺激策とするのなら、まだまだ工夫が必要だろう▼わが家はこれまでキャッシュレス決済をほとんど使わずにきた。ネット通販でコンビニ支払いなどが対象外の時にクレジットカードを少々、というぐらい▼現金にこだわっているつもりはないので、なぜなのか家族と話してみた。一つは現金支払いに不便を感じていないから。日本はATMが行き渡り偽札もほぼ出回らない▼もう一つはよく分からないから。買い物履歴が知らぬ間に誰かに把握されるのは居心地が悪い。停電や犯罪の対策も不十分に思える▼外国人誘客に欠かせないのはよく分かる。国は給与の電子マネー化も考え始めた。流れは止まらないだろう。ただ、それが現金NGまでを意味するなら、高齢化社会に多くの盲点が生まれないか気がかりである。

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