ジョン・レノン&ヨーコ・オノ『イマジン/ギミ・サム・トゥルース』

 「歌は書くけれど、僕はただの男だよ」。本編のなかでジョン・レノンがファンに向かって発した言葉どおりの、赤裸々な日常が映し出されたドキュメンタリー「GIMME SOME TRUTH」。ジョンとヨーコが監督を務めた史上初の“ヴィデオ・アルバム”として知られる「IMAGINE」。2本の作品を収録した本作は、いずれもオリジナル・フィルムのネガを1コマずつ手作業で汚れや傷を修復し、HDでリマスターしたファン待望の一本だ。

 たとえば「IMAGINE」で見せる非日常的な映像表現は、それすらも、いやそれこそが彼らの自然な姿だったのではないかと思わされるし、逆に赤裸々すぎるほどのレコーディング風景を映し出したドキュメンタリーも、彼の音楽とともに見るとなんだか浮遊感がある。二つの作品のリリースには約10年の開きがあるそうだが、両者は互いを補い合い、見る者をより深いイマジネーションの世界へと導いてくれる。

 途中で気がついた、リマスターのおかげで映像がクリアで昨日撮影したかのようにフレッシュに見えるのもまた、この不思議体験を助長しているに違いない。ジョンとヨーコと、取り巻く宇宙。すっかり当てられて、なんだかのぼせてしまった。

(ユニバーサル・ミュージック・3700円+税)=玉木美企子

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