福井県福井市が民間からの提案を募集している大和紡績工場跡地=11月2日、同市みのり3丁目

 財政難に陥っている福井県福井市は、財政再建計画の6本柱の一つ、歳入の確保に向けた取り組みを本格化させている。毎年特別対策本部を設置して実施している市税滞納者への催告を、より多くの滞納者に行うため、自宅訪問から電話中心に切り替える。長年にわたる未利用地や、財政再建計画で民間譲渡・売却・廃止を検討している8公共施設について民間に活用案を募集するなど、あの手この手で歳入増につなげようと躍起になっている。

 「20年ぶりの赤字決算となったが、この難局を乗り越えるには全職員の知恵と努力を結集し、全力を注ぐ覚悟が必要だ」。村田雅俊財政部長は10月中旬、市が毎年設置する「市税等徴収特別対策本部」に携わる管理職への説明会で、言葉に力を込め呼び掛けた。

 本年度は当初約12億円の財源不足となる見通しだったが、事業縮減、職員給与削減などで約10億円のめどは付いた。残り約2億円については市税収納率向上や歳出抑制などで確保すると説明してきた。市税収入は歳入の4割以上を占めており、収納率向上は最重要課題だ。

 収納率は近年向上してきており、昨年度は95%で収納額は約445億円。92%を下回っていた2013年度に比べ約11億円増えた。例年は滞納者宅への訪問催告が中心だが、短期間でより多くの滞納者と触れる機会を増やすため、電話での催告に切り替える。今年は7~13日に実施する。

 長年使い道が見つからなかったり、悪条件で売れ残ったりしている未利用地をどうにかしようと、民間からの提案を募集。対象の用地は、通称フェニックス通り拡幅のための代替用地である大和紡績工場跡地や、一部が土砂災害警戒区域となっている同市大森町の大森団地など、“訳あり”が多い。

 市施設活用推進室の担当者は「残っている未利用地の売却、活用には正直難しさはあるが、このままでは維持管理費がかかるだけ。我々では思いつかなくても、民間ならアイデアがあるかもしれない」と必死さをにじませる。

 9日までは国民宿舎鷹巣荘、ジュニアグラウンドなど8施設について、民間との対話を通じて市場性を把握する「サウンディング型調査」についても受け付けている。

 問い合わせは市税滞納整理については市納税課=電話0776(20)5330。同調査の申し込みについては同室=電話0776(20)5275。

 ■財政再建計画と歳入の確保 2023年度までを期間とし、歳入の確保のほか▽事業費の縮減▽総人件費の縮減▽施設管理経費の縮減▽投資的経費の抑制▽公債費の縮減-を掲げる。歳入の確保策としては市税収納率向上や、低利用・未利用地の売却、貸し付けを推進。民間提案制度を活用した広告掲載、コンビニなどの誘致検討も盛り込まれている。

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