福井県内における全域停電の発生リスクについて話す福井大学の田岡久雄教授=福井県福井市の同大文京キャンパス

 震度7を観測した北海道の地震は、11月6日で発生から2カ月となる。北海道電力は発生時、電力の需給バランスを保つために一部地域を強制的に停電させる「強制停電」に踏み切ったが、結果的に国内初の全域停電(ブラックアウト)に陥った。強制停電の仕組みは福井県が管内の北陸電力、関西電力も導入している。エネルギー工学が専門の田岡久雄・福井大学教授は、県内で全域停電が起きるリスクは北海道に比べて低いとの見方を示した上で、災害時に停電しても慌てずに行動するよう呼び掛けた。

 9月6日午前3時7分に発生した北海道の地震で、道内の電力供給の約半分を担っていた苫東厚真火力発電所3基の内、2基が緊急停止し、供給力が大幅に損なわれた。北海道電は3回にわたって強制停電を実施し、全域停電を回避していた。田岡教授は「今回は(強制停電が)一時的に成功し、残りの発電所と本州からの送電で、いったんは(電力需給の)バランスが取れていた」と話す。

 その後、同発電所の残る1基も停止。他の発電所も故障を防ぐための保護措置などで相次ぎ止まり、全域停電に直面した。田岡教授は、寝ていた被災者が地震で一斉に起きて、照明や電気機器を使ったこともあって需給バランスが保てなかったと推測し、「(日中に比べて小さい)未明の電力需要を想定して発電所を運転する中、急激に使用が高まったことも一因ではないか」と指摘する。

 北陸電、関電とも全域停電を想定した訓練を行っている。田岡教授は福井県内で起きるリスクに関して「一部地域の停電はあるだろうが、限界量はあるものの他の電力会社から送電を受けられ、融通は利く」と説明。北陸電には主な火力発電所が五つあり「どこかが停止しても供給が不足するとは考えにくい」との見方だ。

 ただ、地震による大規模停電は県内でも起こり得る。田岡教授は1995年の阪神・淡路大震災時に兵庫県内で被災し、大規模停電を経験した。停電時の対応に関して「何より慌てないことが大切。懐中電灯を近くに置いて携帯やラジオで情報を収集する。(漏電による火災など)2次災害を防ぐため、ブレーカーを落とし、家電のスイッチを切る」と助言。「地震で倒れた電気ストーブが原因で、電気が復旧した際に火事になったケースもある」と話し、特に冬場は注意するよう促した。

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