来春の福井県知事選への出馬を表明している現職の西川一誠氏(左)、前副知事の杉本達治氏(右)

 福井県前副知事の杉本達治氏(56)は11月2日、福井県庁で会見し、来春の知事選に出馬することを表明した。「福井を変えたいという、県民の皆さんのマグマのような強く熱い思いを感じている。時代は来年、平成から代替わりする。今こそ県政のあり方を変える時。福井に新しい風を吹き込みたい」と述べた。現職の西川一誠氏(73)は既に5選出馬を表明しており、総務省OB同士で現職対前副知事という異例の対決構図となった。

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 杉本氏は会見で、政策の基本として「長期ビジョンに基づく、県民が主役の県政」を掲げた。西川氏は4年間の任期ごとに選挙戦でマニフェストを訴え、トップダウン方式で県政運営を進めているが、県会からは二元代表制の下で「議会軽視」との声が少なからずある。杉本氏は「西川氏流のマニフェストの形にこだわることはない。もっと、みんなでつくっていけるようにしたらいい」と述べ、政治手法の違いが鮮明になった。

 目指す知事像は「決断、即実行」「徹底現場主義」。行政運営スタイルを「チームふくい」とし、福井の未来像は▽全ての世代がチャレンジできる社会▽幸せ、安心を実感できる社会―などを掲げた。

 このうち「行政チェンジ」では具体例の一つとして県と市町の関係に触れた。「県の行政がともすると上意下達になっている。県内の首長から『一緒に県とやりたいのに、なかなか部長から上にあがらない。市町の予算の時期に間に合わないことがよくあり、施策が遅れていく』という話を聞いた。そこを変えたい。住民の皆さんは県民であり、市民であり、町民だ。県と市町が同じ方向に向けば、効果的にお金を使えるし、効率化も図れる。まずそういう形で行政を連携の方向にチェンジしていきたい」と語った。

 かつて仕えていた西川氏との対決構図となったことには「尊敬する先輩。非常にユニークな発想を持たれ、公正、誠実で学ぶところがたくさんある。とても悩んだが、福井に新しい風が必要という、県民の皆さんの声を形にする時期だと思い、こういう決意をした」と述べた。「私の知名度はゼロ。現職の壁はとても厚く、厳しい戦いは覚悟している」とした上で「自治省に入った時から地方行政に身をささげたいとの志があった。だから愛する第二のふるさと福井にこの身をささげる。絶対に勝つ」と力を込めた。

 杉本氏は岐阜県出身で東京大法学部卒。1986年に自治省(現総務省)に入り、市町村税課長、消防庁国民保護・防災部長、公務員部長などを歴任した。福井県では2004年7月~07年7月に総務部長、13年7月~16年7月に副知事を務めた。祖父が旧大野郡西谷村(現大野市)出身で福井県にゆかりがある。
 

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