ドラッグストアのゲンキー=福井市内

 ドラッグストアを展開するGenky DrugStores(ゲンキードラッグストアーズ)=本社福井県坂井市、藤永賢一社長=は11月2日、子会社ゲンキーの転勤を伴わない正社員の賃金について、11月から月額1万円引き上げるベースアップ(ベア)を実施すると発表した。上昇幅は平均で5・2%。人手不足が深刻化する中、大幅な賃金アップに踏み切ることで、同社が出店する4県で地元志向の強い優秀な人材を確保する考えだ。

 同日開かれた取締役会で決議した。対象となるのは、レギュラー社員と呼ばれる勤務地が限定される人たちで、正社員約800人のうち約300人に上る。

 ゲンキーは福井、石川、岐阜、愛知の4県に計232店を出店。新規出店は2018年6月期が計30店で、19年6月期は岐阜、愛知両県を中心に計41店を計画している。競争が激しさを増すドラッグストア業界での生き残りに向け、今後も出店ペースを加速していく考えで、出店に伴う人材確保は喫緊の課題となっていた。

 19年春卒業予定の新卒採用は250人を予定しており、現在も採用活動を続けている。ゲンキードラッグストアーズの常見武史・財務部長兼IR広報室長は「目標は達成できる見込みだが、人材確保に苦労している」と話す。今回のベアによって、人件費は増加するが、人材確保の効果が大きいと判断したという。

 転勤を伴わない働き方を希望する社員は年々増えているといい、常見氏は「地元で活躍したいと考えている若い人材を取り込みたい」と話し、賃金を引き上げて人材獲得競争で優位に立ちたいとしている。

 県立大地域経済研究所の南保勝所長は「人が集まらない現状では、財務力のある企業の一つの戦略として有効なのではないか」との見方を示した。
 

関連記事