代行運転やタクシー利用を呼び掛ける居酒屋の張り紙。女性店主が逮捕された後に作った=9月、福井県内

 勾留されていた警察署では、名前ではなく「22番」と番号で呼ばれ、苦痛だった。逮捕から9日後、簡易裁判所から罰金20万円の略式命令が出た。その後、免許取り消し処分も下った。

 店では数年前、退店後に飲酒運転し摘発された客が5人以上相次いだ。ただ、それ以降も飲酒運転を強くは止めてはいなかった。逮捕され、認識の甘さを猛省した。

 店の再開後、真っ先に「飲酒された方は必ず代行運転かタクシーでお願いします 店主」と書いた巨大な張り紙を店内に掲示した。今は会計時にどうやって帰るのかを必ず確認している。カウンター内には車の鍵を掛けるボードを設置し、飲酒運転して帰らないよう、なるべく客の鍵を預かるようにした。飲酒運転しそうな客が来ると、常連客が「飲酒運転するなら帰れ。二度と来るな」と追い返してくれるようにもなった。

 酒類提供容疑での逮捕は、県内でまだ1件しかないが、飲酒運転をしている人は「いっぱいいる」と感じている。自身の逮捕を反面教師に、酒類提供罪を広く知ってほしいと願う。「自分の店は大丈夫と思わず、お店のママさんたちには『飲酒運転するなら来るな』と断る強い気持ちを持ってほしい」

 免許取り消しになってからは、友人に自宅と店を送迎してもらう毎日。人工透析で病院に通う夫は娘に任せざるを得なくなった。自分一人で買い物にも行けず、プライベートな時間は激減。「飲酒運転の被害者、運転者、店、それぞれの家族…。多くの人が犠牲になる。店も運転者と同じだけの責任がある。飲酒運転の怖さが分かりました」と涙ぐんだ。

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