福井ミラクルエレファンツのチームメートに肩車をされ、ガッツポーズする片山雄哉選手(右)と松本友選手=10月25日、福井県福井市の福井新聞社・風の森ホール

 「特別なライバル」と認め合う2人が、一緒に夢の扉をこじ開けた。10月25日のプロ野球ドラフト会議で、ルートインBCリーグ、福井ミラクルエレファンツの片山雄哉選手(24)が阪神の育成1位、松本友選手(23)がヤクルトに育成2位指名を受けた。「苦しいときも2人で頑張ってきた。そろって選ばれたことが何よりうれしい」と万感の思いをにじませた。

 10月1日夜、群馬県の前橋市民球場。リーグチャンピオンシップに敗れ、福井の今シーズンが終幕した。試合後、グラウンドで2人は握手を交わした。「よく頑張ったよな」。短い言葉でねぎらい合うと、片山選手は思わず目を潤ませた。「何の感情か分からない。不思議な涙が出た。松本がいたから、ここまで折れずに頑張れた」

 BCリーグの選手たちにとって、チームメートは仲間でありNPB(日本野球機構)入りを狙うライバル同士でもある。その中でも2人の関係は特別だった。同学年で同じ左打者。ポジションこそ違えど、共に走攻守三拍子そろったところが売り。「一番意識する選手。活躍したら悔しいし、負けたくなかった」(松本選手)。練習でも試合でも事あるごとに競い合った。

 1番ショート松本、3番キャッチャー片山。今季の2人はまさに「チームの柱」(田中雅彦監督)だった。打撃に守備に躍動し、3年ぶりの西地区優勝に大きく貢献。個人成績でも好記録を残した。順風満帆なシーズン―。はたからはそう見えるが、当の本人たち「しんどかった」と言う。

 「常に全力。勝っていようが負けていようが関係ない。正直つらかった」(松本選手)。凡打でも全力疾走、攻守交代は猛ダッシュ。チーム内の決まり事を2人は率先して行った。片山選手は「スカウトは結果以外の部分もよく見ている。だから、松本とは『良いときも悪いときも全力でやろう』と言い合った」と打ち明ける。

 ドラフト会議で名前が呼ばれると「自然と」(片山選手)熱く抱擁。喜びもひとしおだった。だが、2人は言う。「ここからがスタート」。新たな目標も生まれた。「1軍のステージで戦い合いたい」。特別なライバル関係はこれからも続いていく。

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