もうすっかり秋です。

 あの猛暑でも少しもめげることなく、畑では毎日芽を出したり、実をつけたりしてあの暑い夏の日々を私たちの糧としてずっと支え続けてきてもらったオクラ、つるむらさき、モロヘイヤなどの数々の夏野菜、その生命力の強さに目を見張る思いでした。

 しかし、そんな夏野菜も、季節は変わって次第に秋冬野菜へと移り、今ではその大根、白菜等がめざましく生長しているのです。

◆福井国体

 ‘ばあちゃん、やっぱり国体はすごいよ!! 絶対行って見てくるべきだよ。やっぱり県体などの試合とは全然違うよ’

  9月29日(土)から始まった福井国体。孫は次の日の日曜日にでも行ってきたのでしょうか。国体の会場ともなっている県武道館に、かつてやっていた剣道を一人で自転車で見に行ってきたのだというのです。やるべき学校の課題か何かがあったようで行こうか、行くまいか随分と迷ったのだがと言うのです。

 ‘それはとてもいいことをした。いい選択だった’と内心思いました。50年に1度しか体験できないことを何にもまして優先して体験することは、とても大事なことだと思えたからです。その感動を私にも味わってほしいと思ってか、いつになく しきりと国体を見に行くよう勧めるのです。

 50年前に行われた国体のために作られ、今回もメーン会場となっている運動公園のすぐ近くに住みながら、とかく出かけることが億劫だったり、人込みの中に出かけることの苦手な私には、国体を見たいという思いや、見に行こうという思いは全くなかったのです。しかし、孫のいつにもない強い勧めもあって、折角の国体、近くに住んでいながら、話のタネにでもちょっとのぞいて見るべきではないか、そう思えたのです。

 しかし、情報によれば、かなりの混雑が予想され、車で行っても車を止めることができるのかも定かではないのです。

 道の混雑具合。観戦するにはどうしたらよいのか。車で行く場合、駐車は出来るのか。まずはそうした情報を入手するために、主要会場ともなる運動公園の近くまで行って見ました。
     
 近くの学校の校庭は、国体の期間中はすべて国体のための駐車場となっています。その駐車場でたくさんの車の駐車を担当されている係の方にお聞きしてみました。種目にもよるのですが、開会式など特別な日以外は、会場にはいつでも入場は可能で、無料で入場できるということでした。近くの駐車場は国体に参加される関係者に充てられているので、別に用意されている少し遠い駐車場からシャトルバスを利用したり、歩いたりしなければならないということでした。

 孫にはあれほど言われているのです。思い立ったが吉日。情報を入手したその足で、ちょっとだけでも見て帰ってこようと、まずは剣道をと武道館に向かいました。駐車できなければ帰ってくればいいという実に軽い気持ちで出かけたのです。

 やはり武道館の駐車場には駐車できませんでしたが、幸い、近くの懇意にしている方の駐車場に、気持ちよく止めさせていただくことができました。

 その日は、皇族の方が見えられる日という日でもあったそうですが、それほどの混雑ではありませんでした。会場に入って、孫が言っていた‘県体とは違って、国体はさすがすごいよ’というその違いとは、会場の雰囲気だとばかり思っていました。が、確かに、会場は孫が通っていた頃の試合の様子とは少しは違ってはいるようですが、驚くほどの違いは感じられません。

 長年孫を連れて通った剣道ですが、勝敗を争う試合そのものにはあまり心が向かずそれほど関心がなかった私には、まして知らない人の試合には、申し訳ないと思いながら、そろそろ帰ろうという思いばかりがつのってくるのでした。

 そうした試合の続く中、皇族の方が静かに入場して来られ、静か退場されて行かれました。では、私も帰りましょうと思ったとき、次は、福井成年男子の2回戦が行われるというのです。孫たちもお世話になった、日本一でおられる林田先生や、何名かの先生が出られるというのです。これは何をおいても見せていただかなくってはと、その試合を間近に見るために席を移しました。すると、そこにはかつてご指導いただいていたなつかしい諸先生方や武道館関係の職員の方々もおられ、一緒に観戦させていただきました。

 日本一といわれる林田先生の試合はこれまでいつか一度は拝見したいと思いながら、それが実際にかなうことだとは思ってはいませんでした。本当に運良くもその試合を拝見できるのです。

 試合が始まると、その動きの速さ、あっという間に一本取ってしまわれる早業、そしてその動きの美しさ。何年も孫に付き添って通いながらも剣道について実に疎い私でさえその動きに引付けられてしまう素晴らしい試合でした。孫たちがいつも稽古をつけていただいても、試合までは拝見することはなかった他の諸先生方の試合。この国体での諸先生方の試合のこの場面を、せめてこの先生方に武道館で学ばせていただいた孫たちや、学んでいるたくさんの子どもたちにも観戦してほしかった。それが私の本音でした。

 丁度後ろの席には、当時1年生で今は4年生になられて剣道に通ってきておられるお子さんがお母さんと観戦に来ておられました。そして、明日の3回戦、4回戦、決勝へと続く試合を学校を休んででも見に来たいと言われるのです。お母さんも、せめて、国体の間ぐらいは、学校を休みにしてほしいとつい漏らされていました。

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