啓新―上田西 7回裏啓新無死二、三塁、浦松巧の中前打で幸鉢悠樹(中央)が生還し2―3とする=新潟県のハードオフエコスタジアム新潟

 【第139回北信越地区高校野球大会準決勝 啓新4ー3上田西】

 創部7年目の啓新が新たな球史を刻んだ。毎回走者を背負った守りで我慢に我慢を重ね、七回に4点を挙げて逆転勝ち。初の決勝進出で春夏を通じ、初の甲子園に大きく前進した。就任1年目の植松照智監督は「苦しい展開の中でよく耐えた」とナインをたたえた。

 先発安積航大が毎回の10安打を浴びながら6回3失点と粘り、七回から浦松巧に継投。「本当にぎりぎりのところ」(植松監督)で勝負をつなぎ留めたことが“ラッキーセブン”を呼び込んだ。

 七回、代わった2番手投手から浦松の遊撃頭上を越す2点適時打で1点差に迫ると、さらに3番手投手を攻め、1死二、三塁。ここで直前の二盗に気づかなかった投手が無人の一塁にまさかのけん制。ボールが転々とする間に2者が生還した。神懸かった逆転劇に指揮官は「辛抱してきた選手を神様が見てくれていたのかな」と笑った。

 前チームで投打の大黒柱だった上ノ山倫太朗、2代前のエース牧丈一郎(阪神)のような飛び抜けた選手はいない。それは「全員が理解している」と主将の穴水芳喜。決勝のホームを踏んだ刀根宗太郎は「みんなが一つになってこそ強い力が出せる」と言い切る。

 1回戦が逆転、準々決勝は競り勝ち、準決勝も奇跡的な逆転勝利。選抜大会出場の可能性が高まったが、穴水は「決勝の結果次第で変わる。泥臭く戦いたい」と浮かれた様子は全くない。「挑戦者」(穴水)として星稜(石川)に思い切りぶつかっていく。

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