全線開業してから、10月19日で丸15年となったえちぜん鉄道。乗客数は順調に増加し、地域の足として定着している=10月18日、福井駅

 福井県のえちぜん鉄道勝山永平寺線と三国芦原線が全線開業してから、10月19日で丸15年となった。利用者目線のサービスを追求するえち鉄と、乗って残す運動を展開する沿線住民、財政支援する行政の三位一体の取り組みで乗客数は順調に伸びている。2018年度もこのまま推移すれば過去最多となり、年間ベースで初年度の04年度を130万人ほど上回る勢いだ。全国有数の車社会で、地域の足としてすっかり定着した。

 えち鉄は、2度の正面衝突事故で運休した前身の京福電鉄を引き継ぎ、02年に第三セクターとして設立した。03年7月20日に勝山永平寺線福井―永平寺口、三国芦原線福井口―西長田間で運行を開始。その後、8月10日に三国芦原線全線、10月19日に勝山永平寺線全線で運行を始めた。

 実質的な初年度となる04年度の乗客数は242万人。以降、順調に増え、07年度に300万人を突破した。16年度に350万人を上回り、17年度には360万人に達した。

 18年度上半期は、速報値によると17年度同期を6万7千人上回る186万8千人。内訳は、通勤・通学定期と回数券の「日常生活型」が3万4千人増の117万人、観光・イベント目的の「非日常型」も3万3千人増の69万8千人だった。通年ベースで単純計算すると、370万人を上回るペースとなっている。

 好調の背景には、えち鉄と沿線住民、行政による三位一体の強いスクラムがある。

 アテンダント(客室乗務員)や午後11時台の終電、福井鉄道との相互乗り入れと次世代型低床車両キーボの導入、自転車を電車に持ち込めるサイクルトレイン、勝山市の県立恐竜博物館など沿線の施設とタイアップした企画切符…。利用者の多様なニーズに沿ったえち鉄のさまざまなサービスが、リピーターの獲得とともに、新たな乗客の掘り起こしにつながっている。

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