RENEWの「これまで」と「これから」を語る新山さん(左)と谷口さん=10月11日、福井県鯖江市河和田町

 人口減少社会のものづくり産地の将来を見据え、民間主導で立ち上がったRENEW。4年目を迎えた実行委員長の谷口康彦さん(59)=谷口眼鏡社長、事務局の新山直広さん(32)=TSUGI代表=に「これまで」と「これから」を聞いた。

 ―RENEWのきっかけは。

 谷口 2015年1月に自分が鯖江市(福井県)河和田地区の区長になったことを契機に、地元の産業の若い担い手を集め、産地の未来を考えるグループを立ち上げたことが起点となった。そこに大阪から河和田に移住してきていたデザイナーの新山君も加わった。

 新山 新潟県で13年から始まったイベント「燕三条 工場の祭典」に刺激を受け、RENEWの原型となる企画書を提出した。そこには、これからの河和田で地域資源を生かした“創造産地”を構築しようと書いた。

 谷口 行政が描くまちづくりは補助金が切れると、その先はなかなかうまくいかない。疲弊しているものづくりの産地で民間としてできるところから始めた。

 ―1年目の手応えは。

 谷口 今まで公開したことない工場に一般の人が来て、食い入るように仕事を見つめていた。反省会で「うちのワークショップの参加者が少なかった」と本気で悔しがっている工場の社長もいて、何かが動きだした気がした。

 新山 1年目の来場者約1200人の4割が県外客だった。地元のものづくりが、わざわざ外から足を運んでもらえるコンテンツなんだと自信につながった。

 ―今年はエリアは丹南全域となり、関わる産地も増えた。

 新山 何かをするとき自治体が異なる壁はあるが、歴史的に漆職人は行商先で和紙や打刃物のかまを売っていたりと昔から産地はつながってきた。丹南5産地に眼鏡、繊維を加えた7産地の民間連携のモデルをつくれたら、プラスの相乗効果が生まれ、ものづくりの使い手や観光客、ビジネスではバイヤーらを呼び込んでいくことにつながっていくのでは。

 ―ものづくり、食、教育、福祉、IT、防災など多様な切り口で地域社会に貢献する全国の21団体が集まる特別企画「まち/ひと/しごと」もある。

 谷口 持続可能なまちづくりの課題は、ものづくりだけでなく幅広い。地方の暮らしの足元の豊かさを誇りに感じて、外に発信することにつなげたい。

 新山 キャッチコピーは「地域の生き様に気づく4日間」。全国で熱量をもって活動する人の姿を福井の人に見てもらいたいし、RENEWの新たな方向性のヒントもきっと生まれる。全国のトップランナーたちが福井の関係人口になることも期待している。

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 持続可能な産地を目指し、2015年に福井県鯖江市河和田地区で始まった産業観光イベント「RENEW」。今年はエリアを福井県の丹南全体に広げ、10月19~21日に開かれるRENEWの「これまで」と「これから」を探る。

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