安倍晋三首相が消費税率を予定通り2019年10月に10%へ引き上げる方針を表明したのを受け、福井県内事業者は対応の準備を加速させる一方、景気の腰折れに懸念を示した。家計の負担を和らげるため、キャッシュレス決済した人に増税幅の2%分のポイントを還元する方針には、効果を疑問視する声や不公平感があるとの見方が出た。

 「影響は大きく、消費が冷え込むだろう」。県内商業施設関係者の懸念は強い。特に衣料、雑貨の売り上げが落ち込むと予測し「税率が5%から8%になったときは駆け込み需要に伴う反動減が大きかったはず。今回はそうならないよう、万全の対策を望む」と話した。

 住宅メーカーの永和住宅(福井市)は駆け込み需要を見込み、オプションサービスなどのキャンペーンを展開している。一方で「生産能力には限界がある」と天谷大門社長。住宅は19年3月末までに契約を結べば、引き渡しが増税後になっても税率8%が維持される。そのため契約が集中する可能性があり「引き渡しが通常より遅くなることは理解してもらわないといけない」と話す。

 また、増税後は住宅購入者に支給する「すまい給付金」や住宅ローン減税の拡充が検討されており「増税前後でどちらの方が負担が少なくて済むか、顧客ごとに説明できるよう制度把握に努めたい」と気を引き締めた。

 キャッシュレス決済に対し2%分をポイント付与する方針について、県の「ふるさと県民カード」に認定されている「JURACA(ジュラカ)」を運営する福井銀行(福井市)の担当者は「キャッシュレス化を推進する上で追い風になる」との認識だ。「カードを使える場所を拡大しながら、消費者、事業者双方の利点を発信していきたい」と前向きに捉える。

 一方で、ポイント還元について商業施設の関係者からは「どれだけの効果があるのか」と疑問の声も出た。県中小企業団体中央会の芹澤利幸・企画振興課長は「キャッシュレスに対応していない店舗には不公平感が出る。市街地と過疎地、キャッシュレスに慣れた若者と、現金を使う機会が多い高齢者の間で格差が生じる可能性もある」と見通した。
 

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