最近、両手の親指が毎朝起きてから徐々にこわばるようになりました。我慢できないほどの痛みではないのですが、午前中はこわばって曲げづらいです。腫れや変形はありません。関係あるのか分かりませんが、爪も少し反り返っています。どのような病気が考えられ、何科を受診すればよいかアドバイスお願いします。(福井市、45歳女性)

【お答えします】高嶋理 福井赤十字病院 第2リハビリテーション科部長

 ■狭窄性腱鞘炎や関節リウマチの可能性

 手指の朝のこわばりを初発症状とする疾患はいろいろ考えられますが、可能性の高い疾患として、まずは狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)が考えられます。

 手指の屈筋腱(指を曲げる筋)は、指の付け根で腱鞘と呼ばれるトンネルの中を走行しています。狭窄性腱鞘炎とは、そのトンネルで炎症が生じ、腱の通過障害が生じる疾患です。通過障害が高度になってくると、ばね指と呼ばれるひっかかり症状が出現したり、手指の運動時痛が強くなったり、自分自身での指が曲げ伸ばし運動が困難となったりすることがあります。

 母指に発症することが多く、また、男性より女性に多いです。妊娠や出産、もしくは閉経を契機に発症することがあります。

 そのほか、関節リウマチが考えられます。自己免疫疾患(免疫機能の異常により、免疫細胞が自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気)の一種で、関節に炎症が生じ(最初は手指関節や手関節に生じることが多い)、軟骨や骨の障害が生じる疾患です。

 現在、生物学的製剤といわれる関節リウマチに効果的な薬が多数開発されており、早期診断・治療を行うことで治癒も可能となってきています。診断には血液検査を行いますが、これだけでは診断をつけることはできず、腫脹(しゅちょう)や疼痛(とうつう)のある関節の数や、症状の持続期間をみて診断します。

 ■整形外科で念のため精査を

 母指のみの症状で、腫れや変形もないとのことですので、関節リウマチの診断基準は満たさないかもしれませんが、念のため精査を受けられてみてもよいのではないかと思います。

 これらの疾患以外に爪の変形を伴っているのであれば、血流障害の可能性や、末梢神経(まっしょうしんけい)障害でも朝の手指のこわばりが出現することがあります。

 重篤な疾患の可能性は低いように考えますが、まずは整形外科を受診することをお勧めします。

関連記事