日本ゼオンの工場増設後のイメージ図(同社提供)

 石油化学メーカーの日本ゼオン(本社東京)は10月16日、福井県敦賀市莇生野の市産業団地に工場を増設し、大型テレビ向けに世界最大幅の光学フィルムの製造を始めると発表した。投資額は建屋と設備で百数十億円に上る。20~30人を新規雇用し、2020年4月の量産開始を目指す。

 田中公章社長が同日、福井県庁を訪れ西川一誠知事に報告した。田中社長は懇談後に会見し、投資の理由を「55インチ以上の大型テレビの需要が今後、新興国のほか国内でもさらに伸びると判断した」と説明した。

 製造するのは大型の液晶テレビのパネルに使われるフィルム。同社製品について田中社長は「純度が高く、水分などの吸着もほとんどないのが特長だ。反射を防止したり視野角を広めたりと性能が高い」と説明した。

 同社は現在、テレビ向けのフィルムを富山県の工場で製造しており、敦賀も生産拠点に加えて分散させる。さらにパネルの大型化に対応するため、敦賀では世界最大幅となる2500ミリ幅のフィルムの製造ラインを設置する。新ラインの生産能力は年間5千万平方メートルを計画している。

 同社は13年に敦賀市産業団地に工場を完成させ、スマートフォンやタブレット端末など向けのフィルムを生産している。隣接する土地をこれまでに取得しており、今回新たに建物面積約9700平方メートル、延べ床面積約1万3千平方メートルの工場を建設する。19年2月に着工、同12月に竣工(しゅんこう)の予定。フィルムの製造は子会社のオプテス(本社富山県)に委託する。

 田中社長はこの日、敦賀市役所も訪れ、渕上隆信市長らに新工場の概要を説明した。田中社長は「アジアへの出荷には敦賀港の利用も見込んでいる」と話し、渕上市長は地元雇用の拡大に歓迎を示した。

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