主演した「えちてつ物語」について話す横澤夏子さん=福井新聞社

 えちぜん鉄道沿線を舞台にした映画「えちてつ物語 わたし、故郷に帰ってきました。」が11月3日に福井県内先行公開されるのを前に、主演の横澤夏子さん(28)が福井新聞社を訪れた。東京から帰郷した新人アテンダント(客室乗務員)の奮闘を通し、古里や家族愛を描いた物語。「福井の魅力がぎゅっと詰まっている。癒やされ優しい気持ちになれる映画」とPRした。

 同鉄道アテンダントの嶋田郁美さんのノンフィクション本「ローカル線ガールズ」をヒントに、「ショカツの女」など数々のテレビドラマの企画・脚本を手掛けた児玉宜久監督(56)がメガホンを取った。昨年11月中旬から12月初旬にかけて勝山市を中心に福井、坂井、あわら、永平寺の4市1町で撮影した。

 横澤夏子さんが新人アテンダント・山咲いづみを演じ、血のつながらない兄・吉兵役を緒形直人さん、いづみが憧れる整備士役を辻本祐樹さんが務める。えちてつの社長役に笹野高史さん、元芸者役には松原智恵子さんとベテランが脇を固める。

 小浜市などが舞台になったNHKドラマ「ちりとてちん」を見て芸人を志したという横澤さん。「福井ロケは本当に心安まり、のんびりできた。白いご飯やセイコガニがおいしく、方言は故郷の新潟・糸魚川に似ていて親近感を覚えた」と振り返る。

 映画には丸岡城やあわら温泉、東尋坊、越前大仏などが随所に登場。「白山平泉寺のコケのじゅうたんや、一乗谷朝倉氏遺跡が幻想的で感動した」と語り、沿線の名所を見学し満喫したという。

 福井やローカル線にスポットを当てているが、物語の軸は人間の絆を紡ぐ感動の物語。児玉監督は「ただの観光映画ではない。普段のバラエティー番組とは違う横澤さんの一面にも注目してほしい」と力を込める。横澤さんは「福井の心洗われる風景に癒やされると同時に、切なくて優しい気持ちになれる作品。絆を取り戻す物語を劇場で楽しんでもらいたい」と話した。

 テーマ曲は武生商業高吹奏楽部が担当している。11月3日に福井、鯖江、敦賀市の5館で先行公開され、23日以降に全国上映される。

 【ストーリー】東京でお笑いタレントを目指していた山咲いづみは、古里で出席した友人の結婚式で、えちぜん鉄道の社長・越智と出会い、アテンダントにスカウトされる。血のつながらない兄・吉兵の家で居候を始めるが、いづみは自分が養女だというわだかまりを抱き続け、吉兵との関係はぎくしゃくしたまま。職場では腰掛け的な態度が出てしまい、空回りが続く一方、整備士の南部がいづみの心のオアシスになる。そんな中、電車内である出来事が起こる。人生に迷ういづみは自分の居場所を見つけ、家族の絆を取り戻せるのか-。

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