自殺した男子生徒が通っていた福井県池田町立池田中の校舎=10月1日

 池田中学校(福井県池田町)生徒の自殺問題で、当時担任だった男性が共同通信の取材に応じ、「今思えば単なる教師のエゴだった」と行き過ぎた指導があったことを初めて認めた。報告書では「(調査委の)聴取に『今まで教員をしてきて過信をしていた』と述べた」と記されている。

 現在は教育現場を離れ、県の関連施設で働く元担任は10月11日、約20分にわたり取材に答えた。

 生徒は昨年3月14日朝、校舎から転落死。報告書は「担任や副担任は、生徒の性格や気持ちを理解せず、課題提出や生徒会活動の準備の遅れを理由に、担任は大声で叱責するなどし、副担任は執拗(しつよう)な指導を繰り返した」と指摘した。

 「何でこういう結果になってしまったのかという自問自答の繰り返し。答えは出ていない」。生徒の自殺以来、他の指導方法があったのではと苦悩してきたという元担任。「同じような指導でうまくいった子どももいた」とする一方で、「結果がこうなったので、良いやり方だったとは思えない」と口にした。

 報告書には「生徒は再三登校を嫌がり、家族に担任や副担任への不満を訴えていた。担任も対応を約束していたが、問題解決に向けた適切な行動をとらず、副担任とともに厳しい指導を繰り返した。その結果、生徒は逃げ場のない状況に追い詰められた」とも記載されている。

 元担任は「報告書が正しいかはお答えできない。人の受け取り方だ」とした上で、「自分の思いが子どもに伝わっていなかったのは事実」と述べた。生徒や遺族に対しては「申し訳なくて何も言えない」と話した。

 【池田中生自殺】池田町池田中で昨年3月14日、当時2年生の男子生徒が校舎から飛び降りて死亡した。町教委が設置した有識者による調査委員会は同10月に報告書を公表、担任と副担任の厳しい叱責が自殺の要因と結論付けた。校長ら管理職による指導監督や教員間の情報共有にも問題があったと指摘された。福井地検は今年1月、市民団体が提出した校長や担任らに対する業務上過失致死容疑の告発状を受理した。

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