信越化学工業が福井県越前市の池ノ上工業団地に増設する工場のイメージ図(同社提供)

 信越化学工業(東京)は10月11日、福井県越前市の池ノ上工業団地にある武生工場・池ノ上分工場の建屋を増設し、生産を増強すると発表した。投資額は約140億円。サーバーやスマートフォン、人工知能(AI)に組み込まれる半導体の製造工程で用いられる回路パターン原版の複合材料(フォトマスクブランクス)の生産を倍増させる。2021年4月までの操業を予定する。

 同社の石原俊信専務が福井県庁に西川一誠知事を訪ね、計画を報告した。石原専務は「旺盛な半導体の需要に対応するため増強を決めた」とし、新潟県の直江津工場を含め「(フォトマスクブランクスの)生産を全体で30%増やす」と述べた。

 同社は池ノ上分工場に16年、フォトマスクブランクスを製造する工場を稼働させた。隣接する形で今回、同規模の新工場を増設する。鉄骨3階建てで延べ床面積は6千平方メートル。

 フォトマスクブランクスは、ガラス基板上に遮光性の薄膜を形成する最先端材料。懇談後の会見で、新機能材料部の岡秀明部長は「10ナノメートル以下のサイズを製造できるのは武生工場のみ。福井の人材は高精度な微細加工が可能な技術、知識レベルがある」と評した。

 16年稼働の既存工場は現在50人規模で、同社によると増設に伴い、来年半ばには10人程度を新規雇用する計画。設備の自動化を一段と進めるため、最終的な従業員は30~40人程度になる見込みという。越前市は、今回の増設計画で3億円の補助を予定している。

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