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 映画『凶悪』『孤狼の血』などの白石和彌監督が、師匠であり、亡くなった若松孝二監督が率いていた若松プロの、1960年代後半の活躍を描いた作品です。

 若松プロを描いた映画、といえば、誰もが若松監督が主役の映画だと思うかもしれません。でもこの映画のヒロインは、かつて若松プロで紅一点の助監督として活躍していた吉積めぐみさん。助監督から「調達」という名前で、万引きの仕方を教わったり、現場でいきなり芝居をさせられたりとハチャメチャな若松監督に振り回される姿は可哀想だけどつい笑ってしまう。その一方、「何者かになりたい」と思いながら、どんなに歯を食いしばって頑張っても、追いつかない若松監督の背中は遠く、こちらも切なくなってしまう。

 実は、まだ公開前に本作の話を聞いたとき、「若松プロの話なんて観る人も限定されちゃうし、今の若い子なんて絶対見ないんじゃないか」と正直不安だったのですが、作品を観たらヒット作を作り出している白石監督らしい目の付け所に納得。若松プロの仲間たちとともに、喧嘩したり、恋をしたりしながら、映画に情熱を注いで突っ走っていためぐみさんをヒロインにした青春映画だからこそ、スッと胸に入ってきます。若松監督のことを知らない人が映画を観終わって、面白そうだから若松監督の作品を観てみようかな、なんて思えたら最高ですね! ★★★★☆(森田真帆)

監督:白石和彌

出演:門脇麦、井浦新、山本浩司ほか

10月13日(土)から全国順次公開

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