水月湖年縞の実物標本をご覧になる秋篠宮ご夫妻=10月8日、福井県若狭町鳥浜の福井県年縞博物館

 秋篠宮ご夫妻は10月8日、福井しあわせ元気国体(福井国体)に合わせて福井県に来県された。ご夫妻そろっての公務での来県は16年ぶり。9日の総合閉会式臨席に先立ち、若狭町と越前町にある県の博物館を視察された。秋篠宮さまは高い知識を生かして気さくに質問し、紀子さまは子どもたちに優しく声をかけられた。

 越前町の越前古窯博物館では、越前焼研究の第一人者だった故水野九右衛門氏(1921~89年)が収集した、平安時代から現代に至る陶磁器や陶片など約3万7千点の「水野コレクション」を視察された。竹内順一特別館長(東京芸術大名誉教授)から、この研究により越前焼が日本六古窯に数えられるようになったと説明を受けた。

 約200年前に焼かれた高さ91センチの大がめの前では顔を近づけて鑑賞。ろくろを使わず、粘土ひもで形作っていったとの説明に、秋篠宮さまは「かなり太いひもだったのですか」などと尋ねられた。他にも大つぼ、すり鉢など多様な焼き物をご覧になり、「白い釉薬(ゆうやく)を2重に塗っているのですか」「タヌキ以外の越前焼の造形物はありますか」などと熱心に質問された。

 竹内特別館長は「焼き物の歴史をよくご存じで専門的な質問があった。研究家、歴史家であるような雰囲気を感じた」と取材に話していた。

 ご夫妻はこれに先立ち、水月湖の年縞(ねんこう)をテーマにした若狭町の福井県年縞博物館を視察され、山根一眞特別館長や研究マネージャーの中川毅立命館大教授から説明を受けた。化石や遺物の年代を測定する際の「世界標準のものさし」となり、過去の気候変動や自然災害を推測できる年縞の意義に理解を深められた。中川教授によると、7万年分の年縞がステンドグラスのように並んだ展示室に入ると、ご夫妻は「とてもきれいですね」と感嘆の声を上げたという。中川教授は「ご質問が専門的でシャープ。気さくでいらっしゃった」と話していた。

 ご夫妻は出迎えた県民に笑顔で手を振られた。県年縞博物館で紀子さまに「何年生ですか」と質問された児童は「うれしかった。ずっと忘れません」と感動した様子だった。

 ⇒【写真】秋篠宮ご夫妻、越前焼を鑑賞

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