「支えてくれた人に感謝したい」と話す(右から)細川茉奈美さん、榎龍之介さん、嘉川楓香さん=10月2日、福井県敦賀市総合運動公園

 昨年12月に北陸高校(福井県)の弓道場が全焼してから約10カ月、福井しあわせ元気国体で10月2日、弓道会場に立つ3年生3人の姿があった。満足に練習できず先のことは考えられない状態から、仲間たちの後押しを受けて立ち直り、迎えた夢舞台。惜しくも予選突破はならなかったが、3人は「多くの人の支援でこの場に立てた。ありがとうと言いたい」と感謝の思いを口にした。

 弓道少年男女に出場したのは女子の細川茉奈美選手(18)、嘉川楓香選手(17)、男子の榎龍之介選手(18)。弓道場にあった約220張の弓や約千本の矢、はかま、トロフィーや思い出の写真などを失った。3人とも国体強化選手だったが「廃部になると思った。ショックで先のことなど考えられなかった」と振り返る。

 3人の弓道具はたまたま持ち帰っており、無事だった。部活の仲間からは「私たちの分も頑張って」と声を掛けられた。細川選手は「練習できることを喜び、一本一本大事にしようと思った」、榎選手は「自分たちは弓を引くことしかできない。それだけを考えるようになった」と話す。

 県内外の高校やOBなどから弓矢が送られてきた。18回目となる恒例のチャリティー弓道大会も5月に開いた。嘉川選手は「道具が集まったのは先輩たちが受け継いできた歴史のおかげ」と感謝する。

 2日に行われた近的、遠的は男女とも予選を通過できなかった。榎選手は「いつも通りできなかった」、細川選手は「緊張した。(高校生活)最後なので…」と言葉を詰まらせた。
 

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