成年男子馬場馬術で演技する福井の吉村喜信選手兼監督とルードシャネロ=10月1日、静岡県の御殿場市馬術・スポーツセンター

 “レジェンド”の2度目の福井国体が始まった。静岡県御殿場市で1日行われた成年男子馬場馬術で7位入賞した福井の吉村喜信選手兼監督(67)=福井工業大学教=は、1968年の1巡目国体で高校生自馬B馬場馬術を制し、天皇杯獲得(男女総合優勝)に貢献した。「始めたばかりの時は馬が怖かった」という少年が、50年をへて、多くの教え子とともに馬場にチームふくいの存在感を示している。

 福井県内の福井市灯明寺中1年で馬術を始めた。当時、1巡目国体に向けて県馬術連盟が選手を募っており、ポスターを見て出場を希望すると、同校に馬術部ができた。部員は2人だけ。毎週末、坂井市三国町の県畜産試験場に足を運んで練習に励んだ。小柄だった少年には、馬がことさら大きく見えた。力を持て余した馬を乗りこなすのに苦労した。

 競技環境の整った福井高(現福井工大福井高)に進学。約15人の仲間と規定演技の練習を重ね、実力を培った。2年生で1巡目国体に出場。羽水高のグラウンドに造られた会場で、馬場馬術や障害飛越に挑んだ。

 優勝した馬場馬術の愛馬はナポレオン。「すごく敏感な馬」と一体になった演技を無心で披露し、頂点に立った。「福井国体グラフ」(68年福井新聞社発刊)には、賞状を手にあどけない笑顔を見せる写真が掲載されている。当時を「やれることをやるだけだった」と謙虚に振り返る。

 その後、半世紀にわたり国体や全日本馬術大会など数々の大会で好成績を残し、「馬術王国福井」を築いた。現役選手として活躍しながら、福井工大、福井工大福井高の総監督に就任、後進の育成にも力を尽くしている。

 今国体に向け、長期合宿などを通じ、手厚く選手を指導してきた。「馬を観察し、異常がないか、何を考えているか理解する。それがないと、人馬のコミュニケーションが始まらない」と話す。

 馬術のチームふくいは1日、成年男子トップスコアで仁田原知毅選手(福井工大)が優勝を飾った。「(選手には)いい結果を残してほしい」と願う吉村選手兼監督。自身も目指すのは「もちろん優勝」。あくなき向上心で、3日の成年男子自由演技馬場馬術に臨む。

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